連続テレビ小説「ちむどんどん」3話「シークワーサーの少女」

シークワーサーの木

暢子「せーのっ…。 てて…。」

史彦「暢子ちゃん?」

暢子「和彦君のお父さん。 今日の夜 和彦君と一緒に 食べ来るでしょ。」

史彦「うん。 足は もう大丈夫?」

暢子「うん。」

史彦「はい どうぞ。」

暢子「ありがとう。 本当は 自分で取れるようになりたい。」

史彦「あっ そうだったんだ。 ごめん ごめん。」

暢子「何してるの?」

史彦「うん 向こうのお墓を見てたんだ。 古いお墓や いろんな形のお墓があって とっても面白い。」

暢子「東京の方が面白いでしょ? 和彦君は 沖縄に来なければよかったって 言ってたよ。」

史彦「おじさんは 東京も好きだけど この村も好きだよ。 暢子ちゃんにとっては この村がふるさと。」

暢子「ふるさと?」

史彦「いつか 暢子ちゃんが大きくなって 今の暢子ちゃんみたいな子に シークワーサーの実を取ってあげる時が きっと来るから。 そしたら もう一度考えてみるといい。 この村が 本当につまらないかどうか。 じゃあ。」

暢子「夜 絶対来てよ! うち そば作った! お父ちゃんに教えてもらって 初めて作ったからさ! 和彦君にも食べてほしい! 絶対 おいしいはずよ!」

史彦「じゃあ 後で。」

暢子「バイバイ!」

史彦「バイバイ!」

比嘉家

暢子「見てくる!」

賢三「ハッハッハ…。」

優子「賢秀に話した?」

賢三「いや 話そうと思ったけど…。」

優子「ええっ?」

賢秀「豚小屋にアババがいなかったけど どこにいるのか?」

賢三「アリ… あの あれよ。」

暢子「ねっ 来た来た 来たよ~!」

史彦「こんばんは。」

賢三「お待ちしてました。」

優子「ようこそ。」

暢子「どうぞ。」

賢秀「父ちゃん アババは どこにいるわけ?」

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