連続テレビ小説「ちむどんどん」46話「あの日、イカスミジューシー」

石川家

石川「教員に復職したい?」

良子「晴海のことは かわいいし 家事も嫌いじゃない。 だけど 毎日 朝から晩まで それだけだと 私は 生きてる実感が持てないって 分かったわけ。 私の名前は『晴海ちゃんのお母さん』じゃない。 社会参加もしたい。」

石川「3年前 君は 自分の意志で 仕事を辞めただろう。」

良子「3人前と今では 状況が違う。 もう 晴海を保育園に預けて 仕事に行っても 心配ないでしょう。」

石川「那覇の両親にも 意見を聞いてみないと。」

良子「那覇のご両親は 関係ないでしょ。」

石川「関係あるよ。 俺は 石川家の長男だのに。」

良子「認めないつもり?」

石川「明日早いから もう寝る。」

良子「明日 お母ちゃんの所に行ってくる。 歌子が また熱出してるって。」

石川「分かった。」

養豚場

賢秀「何べん言ったら 分かるわけ? だからよ。 お産が近づいてて 熱が出た時は 柿を食べさせる!」

清恵「ちゃんとした理由もなく 勝手に飼料 変えないでって…。」

賢秀「だから 理由は知らんけど それが いいわけよ。」

清恵「うるさい 言うとおりにして!」

寛大「賢秀の言うとおりだ。 獣医さんに電話したら 柿を食わせるのも 悪くないそうだ。」

賢秀「アリ 見てみ!」

清恵「あてずっぽうが 当たっただけじゃん!」

寛大「ずっと いてくれりゃ助かるんだがな。」

賢秀「そうはいきません。 今の俺は 仮の姿。 早いとこ 新しいビジネスチャンスを見つけて 沖縄の家族に 楽させてやらないと。」

寛大「沖縄か。 ハワイの豚の話 知ってるか?」

賢秀「ハワイの豚? 何ですか?」

弘台「うん… まっ そのうちな。 ふっ…。」

賢秀「ハワイの豚 ハワイ…。」

比嘉家

運送会社で働いていた歌子でしたが 度々 熱を出し 会社を休みがちになっていました。

花城「社長が言うには『できれば 明日からでも出勤してもらいたい』って。」

優子「ご迷惑をおかけして 申し訳ありません。」

花城「『待ってるから焦らないでね』って 伝えてくださいね。」

優子「わざわざ ありがとうございました。」

良子「これをくれた人でしょ? ただの同僚のこと あんなに心配する? 今度 会社に行ったら 告白されるかもよ?『歌子さん 僕と結婚してください!』。」

歌子「フフッ やめて。」

良子「彼は 絶対 本気だよ。」

歌子「ウフフッ…。」

レストラン・フォンターナ
厨房

二ツ橋「何か 気になることが?」

暢子「焼き色が デージおいしそう。」

二ツ橋「味と同じぐらい 見た目は大事。 醜い料理は お客様に出すべきではありません。」

暢子「『見た目が大事』…。」

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