連続テレビ小説「ちむどんどん」58話「古酒(くーす)交差点」

石川家

石川「二重人格? 二重人格だと言われても しかたがない。 だけど おじぃたちの前に出ると…。 分かってくれ! 俺だって 好きで 本家の長男に生まれたわけじゃないよ。」

良子「1人で飲んでるわけ? 明日も 早いんでしょう? 話は また ゆっくり聞くから。」

石川「駄目! 分かってくれるまで 電話は切らない。」

比嘉家

良子「分かったから。 もう 切るよ。 早く寝て。 飲み過ぎないでよ。」

優子「大丈夫ね?」

良子「だからよ。 何でかねぇ。 飲むと 泣き上戸になるわけ。 結局は 優しすぎるんだよね あの人。」

沖縄料理店・あまゆ

(ドアの開く音)

賢秀「帰ってきた! おい!」

暢子「ただいま。」

賢秀「妹の暢子です。 こちら 多田直美さん。」

直美「初めまして。 お兄さんには 大変お世話になってます。」

暢子「こんばんは。」

賢秀「おう まず座れ。 ほれ。 ほれ。 ほい ほい ほい。」

客「トミさん ビール。」

トミ「はいよ。」

客「こっちも。」

トミ「は~い。」

賢秀「(せきばらい)こちらの直美さんはな ありえんぐらい律儀で 情にあつい女性なわけ。 ねっ。」

直美「いえ…。」

暢子「あっ ニーニーとは どこで知り合ったんですか?」

直美「あっ それは養豚…。」

賢秀「あ~っ! 俺の会社に たまたま営業に。 そうだ。 こいつが働いてる店に イタリア料理を 食べに行きません?」

直美「えっ?」

賢秀「もちろん 全部 俺がおごります。」

暢子「うちの いくらするか…。」

直美「高級なお店なんですか?」

賢秀「あっ どうってことありません! 俺は しょっちゅう うちの会社の社員を引き連れて 食べに行ってます。」

暢子「うちの会社?」

賢秀「俺の会社はよ 品川に 本社ビルヂングがある 従業員200人の…。 行きます? イタリア料理。」

直美「場違いじゃなかったら 是非。」

賢秀「もちろん! ねっ。 アハハ… 決まり!」

直美「あの 私 そろそろ…。」

賢秀「えっ もう?」

直美「社長が待ってるんです。 皆さん 今日は とっても楽しかったです。 失礼します。」

賢秀「じゃあ 駅まで送りましょうね。」

直美「1人で 大丈夫です。」

賢秀「いやいやいや…。 送ります。 ねっ。」

和彦「ただいま。」

賢秀「ほら! こんな物騒なやつが うろうろしてますから。 どけ! 行きましょう。 こっちです。 どうぞ。」

直美「さようなら。」

一同「さようなら。」

賢秀「こっちです。 行きましょう!」

順次「べたぼれやんやー。」

三郎「もう 婚約者になったような 態度だったな。」

和彦「婚約? 賢秀も…。」

順次「ん? 賢秀も?」

和彦「あっ いや…。」

トミ「暢子ちゃん どうしたの?」

暢子「あっ ちょっと 疲れてるから。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク