連続テレビ小説「ちむどんどん」60話「古酒(くーす)交差点」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

(ノック)

房子「どうぞ。」

(賢秀のいびき)

暢子「はぁ~…。 すいません。 ニーニー! 起きて。 帰るよ。」

賢秀「ん… ああ…。」

暢子「はい。 ん~!」

賢秀「ああ… ああ…。」

房子「店で ワイン8本頼んで 半分は 一人で飲んじゃったの。」

暢子「アイヤー。」

回想

矢作「お待たせいたしました。 1070年の バルバレス・ラスぱどーりでございます。」

賢秀「貸せ!」

回想終了

暢子「ぽってかす! 何やってるわけ?」

房子「その上 ここで待たせていたら 私の… 秘蔵のワインを勝手に…。」

暢子「申し訳ありません!」

房子「ピエモンテで ロンバルディアで トスカーナで カンパーニャで 私が集めてきたワインを…。」

暢子「一生かかっても 償います!」

賢秀「幸せになれるかな…。 俺が 幸せにしてやりたかったヤッサー…。」

暢子「ちゃーならん! もう帰るよ!」

賢秀「直美~!」

房子「あ~ やってらんない。 私に つきあいなさい。 おいしい酒でも飲まなきゃ やってらんない。」

暢子「えっ うちが オーナーと2人でお酒を?」

房子「これは 頂き物の沖縄の古酒(くーす)。 20年ものよ。 あなたには もったいないけど。」

暢子「古酒?」

房子「丁寧に 仕次ぎをして 泡盛を熟成させたもの。」

暢子「あ~ 実は うち 泡盛は あんまり得意ではなくて…。」

房子「古酒。」

暢子「じゃあ 一杯だけ。」

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