暢子「う~ん! おいしい。」
智「俺の やんばる土産。 これは 上物さ。」
暢子「うん。 子供の頃から これは大好き!」
和彦「おいしいものは 何でも好きなんだろ?」
暢子「フフッ…。」
愛「暢子ちゃんは 子供の頃から ズボンを はいてたの?」
暢子「ニーニーのお下がりで 昔から。 走りやすいし 海でも山でも 動きやすいから。 愛さんは どうして ファッションが好きなわけ?」
愛「うん… 変身させてくれるから。」
暢子「変身?」
愛「うん。 好きな服を着た時は うれしくて いつもと違う自分に なれたっていうか。」
暢子「自分の好きな服を着たら 元気になるよね。」
愛「うん。 その元気な気持ちって 自由なんだと思う。」
暢子「自由?」
愛「うん。 ちむどんどん。」
暢子「ハハハッ…。」
智「暢子は 昔から自由ヤサ。 一人だけ ズボンはいてて 誰に何を言われても 気にしてなかったからな。 ハハハッ…。」
愛「昔は 国によって 女の子が ズボンをはくのは禁じられてたんだよ。」
暢子「はっさ ありえん! どんな時代に生まれても うちは ズボンをはくし 料理もしたい!」
和彦「きっと どの時代にも 暢子みたいな女性がいて 今に つながってるってことかもね。」
愛「それだ。」
愛「これ!」
暢子「『女性の社会進出』と『パンツルック』。」
愛「20世紀のファッション史 最大の事件は パンツルックの女性が 世界に飛び出したこと。」
和彦「なるほど。」
愛「タイトルは『ズボンをはいた女の子』! どう?」
和彦「うん いいと思う。 この100年の間に 世界中の女性たちが 闘ってきたことを象徴してるね。 何より 今 男性社会の中で頑張る 女性たちを勇気づける記事になる! よし じゃあ この切り口で並べてみよう。」
愛「うん。」
智「ズボンをはいた 女の子?」
暢子「うちのこと?」
暢子「はい。」
和彦「これとこれ 逆の方がいいよ。 こうで…。」
愛「こっちの方が いいね。」
和彦「うん スッキリする。」
智「はい。」
暢子「楽しい。 何か 高校時代に戻ったみたい。」
智「俺は 豆腐売ってばかりで ほとんど 高校行かなかったけど こんなに楽しいなら 学校も悪くないな。」
愛「本当に ご協力 ありがとうございます。」
和彦「まだ 終わったわけじゃないよ。」
愛「分かってる。」
暢子「でも これで最後かもね。」
愛「えっ?」
暢子「こんなふうに 4人で わいわいできるのは。」
和彦「そんなことないよ。 これからも 何回も集まれる。」
愛「さあ もう ひと頑張り フフッ…。」
和彦「うん。」
智「よし。」
暢子「うん。」