オーナー室
暢子「今日 改めて 本当に いいお店だなぁって思いました。 うちも いつか こんなお店をやってみたいなとか。」
房子「やりばいいじゃない。」
暢子「まさかやー。 うちが独立? まだ 自分のお店とか…。」
房子「あなた 何しに東京来たの?」
暢子「それは… 一流の料理人になるためです。」
房子「じゃあ 自分の店を持ちなさい。」
暢子「オーナーは 何歳の時に 自分のお店を?」
房子「最初は 17歳の時。」
暢子「アキサミヨー そんなに早く?」
房子「最初は 屋台の飲み屋 それから 日本料理の店 それから 洋食屋。 さあ これからだったいう時に戦争。 空襲で 何もかもなくして 焼け跡の闇市で ゼロからの再スタート。 戦後は そば屋 洋食屋 大衆食堂 飲み屋。」
暢子「その間 一度も 結婚しようと 思わなかったんですか?」
房子「何度か そんな分かれ道もあったけど 私の場合 両方は無理だった。 でも 一切後悔してない。 考えなさい。 どんな店を自分がやりたいのか。 これは 命令。」
暢子「はい。」
比嘉家
優子「どうぞ。 話って 何ですか?」
賢吉「縁談がある。」
優子「えっ? 誰のですか?」
賢吉「優子さん あんたのさ。 再婚しなさい。」
優子「再婚? うちが? 誰と?」
賢吉「善一さんと。」
優子「まさかやー。」
賢吉「よ~く考えて 返事してくれ。」