暢子「んっ 和彦君 大丈夫?」
愛「まだ 病院で横になってるけど。 先生も 軽い日射病だと思うから 心配ないって。」
暢子「よかった~。 和彦君 智相手に よく頑張ったね。 びっくりした。」
愛「これから決勝戦?」
暢子「ニーニーと智 どっちを応援したらいいか 分からなくて。」
愛「知ってる?」
暢子「ん?」
愛「智君 優勝したら 暢子ちゃんに プロポーズするんだって。」
暢子「アイヤー…。」
愛「困っちゃうようね。 勝手に そんなこと言われても。」
和歌子「おら 賢秀さんと出会えで よがった。」
賢秀「だからよ。 いや 俺の方こそ。 ヘヘッ…。」
和歌子「明日 青森さ帰ります。」
賢秀「えっ? 何で?」
和歌子「言われだんです。 お前みたいな弱虫は 都会暮らしに向いでねえって。」
賢秀「誰が そんな…。 なあ 和歌子ちゃん 仕事は いくらでも俺が世話するから 決勝戦で 俺が勝ったら…。」
和歌子「勝ったら?」
賢秀「けっ…。 け… けっ…。」
タケシ「和歌子~! 和歌子!」
和歌子「タケシ!」
賢秀「タケシ?」
タケシ「心配したど。 突然 飛び出してまるがら。」
和歌子「迎えに来てくれだの?」
タケシ「青森のうぢさ電話したら 鶴見の沖縄県人会さ 世話になってるって聞いで。 おらが悪がった。 やっぱり おら 和歌子がいねえど駄目だ。」
和歌子「タケシ…。」
賢秀「タ… タケシ…。」
和歌子「タケシ… この人 賢秀さん。 賢秀さんが 仕事ば世話してくれるって。 タケシのごとも 頼んでみよう! 賢秀さん お願いでぎますか?」
賢秀「おお… もちろん。 確認だけど 2人は…。」
タケシ「結婚の約束ば してます!」
和歌子「はい…。」
賢秀「けっ…。 ふぅ…。 けっ 結婚か。 よかった。 本当に よかった! アハハハ…。」
三郎「おい 賢秀! 何やってんだ お前。」
賢秀「えっ?」
三郎「えっ じゃねえよ お前。 決勝戦だ 決勝戦。」
賢秀「あっ…。」
三郎「あっ じゃねえ 行くよ。 何やってるんだ ほら。 ほら 行くよ。 ほら! ほら ほら。 早く…。」
タケシ「いい人みえだな。」
和歌子「うん。」
決勝戦
(拍手と声援)
暢子「ニーニー チバリヨー!」
順次「決勝戦!」
暢子「ニーニー!」
順次「一本勝負! うい!」
(どよめき)
順次「白 砂川!」
(拍手と歓声)
智「うお~!」
暢子「片づけ 手伝わないと。 もう 行こう。」
暢子「何? あっ 言い忘れてたけど 3連覇 おめでとう! 今日は とことん飲めるね! あっ 黒糖 20kgだった? すごいねえ! あっ… そういえば うち 将来 お弁当屋さんやるのも いいかなって 思いついたんだけど どう思う?」
智「結婚しよう。 必ず 幸せにする。」
暢子「友情だと思う。 智が うちに感じているのは 愛情じゃなくて 友情。」
智「違う! 俺は ずっと やんばるにいた頃から 暢子が 好きだった。 暢子のために こっちに出てきて 暢子のために…。」
暢子「うちらが結婚しても うまくいくわけないさ。」
智「だったら 俺が我慢する。 いつも 何でも 暢子に合わせる。」
暢子「…」
智「和彦のことが 好きなのか?」
暢子「うちは 料理に集中したい。 自分のお店を持つという夢もある。 智のことは 大好きさ。 でも…。」
智「俺がかなえてやる! 暢子の夢を。 ガンガン働いて ばっちり稼いで 暢子に 店を持たせてやる!」
暢子「そういうことじゃないさぁ! うちの夢は うちが自分の力でかなえんと!」
智「俺が 暢子を 幸せにしてみせる!」
暢子「うちは 嫌…。 ごめん…。 智 ごめん…。」
智「駄目なわけよ。 暢子じゃないと 駄目。 暢子じゃないと!」
暢子「智 分かって! 智!」