連続テレビ小説「ちむどんどん」77話「御三味(うさんみ)に愛を込めて」

暢子「重子さん うちの名前は『沖縄のお嬢さん』ではなく 比嘉暢子です。」

重子「だから?」

暢子「確かに うちは 学歴もないし 貧乏だけど うちの家族は 母も きょうだいも みんな仲よしで もちろん たまには ケンカもするし 兄の牛飼いのことも 初めて知ったけど 心の底では しっかり結び付いている 大好きな家族なんです!]

暢子「それと もう一つ うちは 結婚しても仕事を続けて いつか 独立して 自分のお店を持ちたいと思っています。」

重子「はぁ…!」

和彦「仕事を続けることは 僕も賛成してる。」

重子「あなたは 何も分かってない!」

和彦「父さんが生きていたら この結婚の話には 賛成してると思う。 父さんは 沖縄のことをライフワーク…。」

重子「あなたも お父さんも どうして そこまで 沖縄のことに執着するの? 私には 到底 理解できません!」

和彦「とにかく もう決めたから。 誰に反対されても 僕は暢子と結婚する。 帰ろう。」

重子「絶対 後悔します。」

和彦「もう してるよ! 母さんの子供に生まれたこと。 僕は 好きで 母さんの子に 生まれたわけじゃない!」

波子「坊ちゃま。」

暢子「和彦君 待って!」

玄関前

暢子「待って! ごめん つい 頭に血が上ってしまって。 だけど 和彦君も言い過ぎさ。 昔 和彦君のお父さんとお母さんが お互いを好きになったから 和彦君がいるんだよ?」

和彦「家同士が勝手に決めた縁談だったんだ。 お互いが好きになったわけじゃない。 母さんは お手伝いさんが 当たり前にいる家の 箱入り娘で 学者肌の父さんとは 最初から 反りが合わなかった。」

和彦「父さんと口論したあとは 決まって 裕福な実家との違いを嘆いていた。 僕は 物心が付いた時から 両親は 毎晩のように言い争い 僕は 食卓を囲むこと 食べること自体 嫌になっていった。」

和彦「そんな僕を心配して 父さんは 僕を沖縄に連れていき 母さんから 遠ざけてくれたんだと思う。」

暢子「そうだったわけね。」

和彦「やっぱり 結婚の話は 母さんを無視して進めるしか…。」

暢子「それは 駄目。 うちは お母ちゃんを がっかりさせたくないし ちゃんと 披露宴をやって喜ばせたい。 株彦君のお母さんにも うちのこと この結婚のことを認めてもらって 披露宴に出てほしい。 諦めないで 頑張ろう。」

和彦「うん…。」

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