玄関前
暢子「ニーニー 行くわけ?」
賢秀「暢子 バカなニーニーでごめんな。 だけど 少しは 俺の気持ちも分かってちょうだい。」
暢子「分かってるよ。 よ~く分かっている。 その気持ちだけで うれしいさ。」
賢秀「ごめんな。」
暢子「千葉で 牛飼いの仕事してるって 本当ね?」
賢秀「牛飼いは違ってる。」
暢子「じゃあ どこで何をしているの? 寝る場所は あるわけ?」
賢秀「心配するな。 暢子…。」
暢子「ん?」
賢秀「暢子は 幸せになれよ。 じゃあな。」
暢子「待って。 お金 ないんでしょう?」
賢秀「いつか 倍にして返すから。 はぁ~…。 また良子に ガミガミー 言われるはずな。 はぁ…。」
石川家
回想
小太郎「石川家では 女が 行事の際の 御三味料理を作るのが しきたり。」
修「御三味料理も作れない女に 本家の嫁は 務まらん!」
回想終了
青柳家
波子「昨日は 大変だったそうですね。」
暢子「あの 和彦君のお母さんに 伝えてください。『今度 うちが働いてるレストランに 来てください』って。 あっ 今日のお弁当です。」
波子「受け取れません。 私 2キロも肥えたんですよ?」
暢子「今日は 沖縄のクーブイリチー。」
波子「クーブ…?」
暢子「昆布は 太らないし お肌も ツルツルになりますよ。」
波子「本当に? 私でも?」
暢子「多分… 本当です。 ありがとうございます。」