連続テレビ小説「ちむどんどん」93話「愛と旅立ちのモーウイ」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

賢秀「つまり これを飲めば 健康で 長生きができるだけではなく 幸せのジャイアントビタミン仲間を 増やし 会員になったみんなが 金持ちになれるという もう スーパーハッピーな システムなんです。 今 本部発表によると なんと全ての会員が 毎週5人は 新規会員獲得中! この勢いは 止まりませんよ。」

房子「それが本当なら 会員数は あっという間に日本の人口を超える。」

賢秀「えっ?」

房子「明らかに ねずみ講。 ねずみ講という 一派な犯罪です。」

賢秀「は… 犯罪? えっ いや…。」

房子「あなたは その歩合だか配当金だか もう もらったの?」

賢秀「それは… まだ…。」

房子「いつもらうの? あなたは 誰のために このビジネスを始めたの? 大事な人bに 迷惑をかけたくなかったら ちゃんと 自分で 真実を確かめてきなさい。」

賢秀「はい…。」

東洋新聞
学芸部

和彦「社員特別融資って 制度 ありますよね。 万が一の時に備えて どんな仕組みか知っておきたいんです。」

田良島「分かった。 総務に確認しとく。 金といえば 暢子ちゃんの兄貴が ねずみ講みたいな商売始めたって 言ってたけど まさか これじゃないよな?」

田良島「社会部の飲み仲間から聞いたんだが いくつかの会社を 既に 警察がマークしてて 近々 一斉に 逮捕に動く予定だと。 週刊誌も張りついてるらしい。 マークされてる会社のリストだ。」

田良島「おい ドンピシャ!」

ジャイアントビタミン商事

我那覇「話が違うじゃないですか。」

「どういうことですか。」

「納得できるように説明してくださいよ!」

我那覇「配当金を払って下さい。」

「そうだ!」

「そうだ!」

黒岩「配当金は 子供と孫が それぞれ ノルマを達成したあと 半年以内に支払います。 契約書に書いてある。」

我那覇「こんな小さい字で…。 第一 入会の時には そんな説明 一切…。」

黒岩「契約書を ちゃんと読まなかった あなたたちが悪い。」

我那覇「約束どおり 払ってもらわないと…。」

(ドアが開く音)

我那覇「賢秀君!」

賢秀「だましたんですね。」

黒岩「だました?」

賢秀「これ 悪徳商法の犯罪なんでしょ?」

黒岩「人聞きの悪い。 これは ネットワークビジネス。」

賢秀「俺は 会員をやめます。 預けた金を返してください。」

黒岩「ノルマを達成せず退会する場合 違約金200万円を 支払っていただきます。」

賢秀「200万!?」

幹部「やめたきゃ 違約金持ってこい!」

賢秀「200万なんて あるわけないさぁ。」

幹部「お前 だったら借りてこいよ。 お前みたいなクズにもいるだろ お前。 親とか きょうだいとか。」

賢秀「預けた金を返してください。 やんばるの母ちゃんが コツコツ働いてためた金。 あれだけは 返してください!」

幹部「あんな はした金。」

賢秀「はした金? 母ちゃんが 汗水垂らして稼いだ 大事な金ヤシガ! 返せ。 母ちゃんの金を返せ!」

我那覇「賢秀君! 大丈夫か?」

賢秀「見ましたね? 先に手を出したのは こいつら。 これで 思う存分 暴れられる。」

我那覇「賢秀君! すまん!」

(逃げる我那覇)

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