連続テレビ小説「ちむどんどん」9話「別れの沖縄そば」

山原小中学校

良子「こういう人 東京には たくさんいる?」

和彦「いや そうでもないかも。」

良子「でも 売ってるよね こういう服。」

和彦「うん。 まあ そうだね。」

良子「ありがとう。」

歌子「歌手に会ったことある?」

和彦「歌手?」

歌子「ザ・ピーナッツ。」

和彦「ないよ。」

歌子「坂本 九。」

和彦「テレビでは 毎日見るけど。」

歌子「毎日!?」

和彦「うん 歌の番組。」

歌子「すごい。 毎日? すご~い。 バイバイ!」

賢秀「聞きたいことがある。」

和彦「東京には 何でもある。 洋服 テレビでは毎日…。」

賢秀「そんな話 どうでもいいよ。」

和彦「東京の話じゃないの?」

賢秀「だからよ。 俺が聞きたいのは 東京の漫画本のことさぁ。」

青柳家

和彦「カレーライス?」

暢子「うん。」

和彦「そりゃ あるよ。」

暢子「ビーフシチュー!」

和彦「ある。」

暢子「ステーキ ハンバーグ あとは…。」

和彦「こないだのレストランにあったものは 全部ある。 東京では 世界中の食べ物が 食べられるんだから。」

史彦「チャンプルーや イカスミジューシーは 食べられないかもな。」

暢子「分かった。 ありがとう!」

史彦「東京の親戚から きょうだいのうち一人なら 引き取ってもいいと手紙が来たそうだ。」

和彦「一人だけ?」

史彦「東京に帰る時 一緒に連れてってほしいと 善一さんに頼まれた。」

比嘉家

賢秀「結論を発表する。 東京には 俺が行く。 理由は 長男だから。」

良子「うちが行く。 お母ちゃんは ニーニーが 一番かわいいから。」

暢子「うちが行く。 ニーニーとネーネーは すぐ働いて お金稼げるようになるさ。 だから お母ちゃんを助けられるでしょ?」

歌子「うちが行く。 すぐ熱出して お母ちゃんに迷惑かけるから。」

賢秀「何で 長男の決定に従わないわけ?」

良子「ニーニーは 東京の漫画が 読みたいだけでしょ?」

暢子「ネーネーは おしゃれしたいだけでしょ?」

良子「…なわけないさ。」

工事現場

優子「すみません。」

親方「ほかの仕事 探せ。」

優子「このままだと 子供を一人 手放すことになるんです…。」

親方「俺は 九つの時に 石垣島に働きに出された。 そんなやつ いくらでもいるよ。」

ポスト

和彦に出そうとした手紙をしまい込む暢子

暢子「『和彦君 うちは東京に行くかもしれません』。 行きたくないけど これ以上 お母ちゃんに 難儀させたくないし…。 だけど…。』」

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