ゆがふ
容子「ふ~ん。」
恵里「一緒に住んだらどうかと 私は思うんですけど。」
柴田「文也君は 何て言ってるんですか?」
恵里「『このままでいい』と言ってます。」
容子「私も 無理に一緒に住む事はないと 思うよ。 静子さんの言うとおり おばぁや 勝子さんのように皆 出来ない。 おばぁや 勝子さんは 同じ沖縄の人だし 恵里ちゃんと 静子さんは 違う。 別々に暮らしてるから うまくいく事も あるのでは?」
恵里「そうですかねぇ?」
容子「それを考えてるんだ 静子さんは。 今も 赤ちゃんの事に もっと 口出ししたいのを 抑えてる。 かわいいな 好きだな そういうの。」
柴田「そうですね。」
容子「いいじゃん 一風館で!」
柴田「皆 楽しみにしてますから。」
恵里「ありがとうございます。」
兼城「はいよ! 体に いいよ。」
恵里「はい 頂きます!」
容子「どうなの? おなかの中に子供いると 何ていうか 変わる?」
恵里「『自分のおなかに赤ちゃんが いるんだね』と思ってから そういう事に目に入るように…。」
柴田「『そういう事』?」
恵里「『こんなに おなかの大きい人が 歩いてるんだな』とか…。 こんなに子供が いるんだな』とか…。『ああ この道は ベビーカーを押してる 人には 歩きにくいだろう』とか。 いちいち そういうふうに 思ってしまいます。」
柴田「なるほどね…。」
容子「あるね そういうのって。 何か一つ 自分に変化があったり 新しい事を始めたりする まったく同じ世界なのに 全然 違って見えたりするんだよね。」
柴田「ありますねぇ。」
控え室
猛「そうか 出来ないか 曲が。」
恵達「すみません。」
猛「謝る事は ないさ あせらなくても。 いいのが 出来るのを待つ。 いいものさえ作れば 売れる。 それが俺の持論だ。」
恵達「はい ありがとうございます。」
猛「正直言うと 早く欲しいけどな。」
恵達「すみません。」
猛「そうだ! 恵達。」
恵達「はい。」
猛「例の ゴーヤーマンなんだけどさ。」
恵達「は?」