柴田「ウフフ…。」
みづえ「皆で 育てればいいわ。」
容子「そうだよね。」
恵里「ありがとうございます。」
みづえ「お礼を言いたいのは こっちの方よ 私なんて わくわくしちゃってる。 私はね 言っとくけど 甘やかすわ。 それだけは ご覚悟で。」
恵里「あ はい。」
容子「潔いね みづえさん。」
みづえ「そうよ ウフフ…。 でもね 恵里ちゃん。」
恵里「はい。」
みづえ「愛された記憶を持ってる子は 絶対に いい子になるわ。 人間にとって 一番 大切な事は 自分を愛してくれてる人がいると思える事だと思うの。 そうすれば 自分を 決して粗末に 扱ったりしないわ。 ね?」
恵里「はい。」
容子「なるほどね。」
恵達「さすがですね。」
みづえ「そうよ さすがなのよ。」
柴田「『愛された記憶』かぁ。」
真理亜「そうかもね。 幸せもんだなぁ こいつは。」
恵里「はい そうですよね。」
真理亜「あんたもね。」
恵里「はい そう思います。」
容子「でも 立ち読みや 会社の子供いる人に 聞いてたりしても。」
恵里「はい。」
容子「赤ちゃん育てるのって 大変だね。 皆 意見 違うのよ。」
恵里「『意見』?」
容子「いろいろ あるでしょ? 寝かせ方 抱き方 食事のこととかさ。 はやりとは 違うんだけどな。」
恵里「本は 私も読みました。なんか 頭 痛くなってきて 『まぁいいか』と 思いましたよ。 沖縄でお母さんにも『ほかの母親が どうしてるのかは 気にするな』と。」
みづえ「ああ そう。」
恵里「はい。」
恵達「そんな事 言われたわけ?」
恵里「『ほかの人と比較するな』って。」
みづえ「ふ~ん。」
恵里「和也の事も『ほかの子と比べるな』と そう言われた。」
容子「いいね 勝子さんらしいねぇ…。」
恵里「はい。」
柴田「子育てだけじゃなく 今 正しいと 言われてたことが 実は そうでもなかったというのが ありますよね。」
恵達「そうなんですか?」
容子「何?」
柴田「僕 ラグビー部でした。 で 死ぬほど やらされたんですよ うさぎ跳び。」
容子「ああ やったね『うさぎ跳び』!」
柴田「ドラマや アニメで 定番だったでしょ?」
容子「そうだったよね それが?」
柴田「よくないんですって 体に。」
容子「うそ!」
柴田「そうなんです。 あれだけ やらされたのに 体によくないので 今は あまり やらないみたい。 ね 真理亜さん?」
真理亜「分んない。」
柴田「あ そうね。」
恵里「そういえば やりませんね。」
恵達「見ないね。」
柴田「それと 歯磨き。」
恵里「『歯磨き』?」
柴田「横に こうやって磨くでしょう? 僕の小学校の頃は『縦に磨かないと いけない』と 言われてて。」
恵達「縦? こうですか?」
柴田「学校に 指導の女の人が来て 朝朝礼台の上で見せてくれるわけ。 やり方を こうやってね 1、2、…1、2 あれは何だったんでしょう。」
真理亜「何の話 してんの? あんたは!」
柴田「すみません。」
容子「座れ!」
柴田「はい。」
みづえ「勝子さんの言う『周りの情報に左右されない方がいい』という事では。」
柴田「それです! きれいにまとめて頂き ありがとうございます。」
みづえ「いいえ。」
恵里「そうですよね。」
(和也の声)
恵里「あ!」
容子「和也!」
柴田「和也ちゃん こっち!」
幸せ者だねぇ 和也はねぇ