一風館
ダイニング
恵里「ただいま!」
容子「お帰り!」
一同「お帰りなさい!」
みづえ「一緒に飲む?」
恵里「あ いいです。」
容子「疲れた顔してるねぇ。」
恵達「大丈夫か? 姉え姉え。」
恵里「大丈夫 子供の顔 見れば 疲れなど ふっとんでしまいますからね。」
容子「そうか おい 和也。」
みづえ「もっと甘えたっていいのよ。 私が ここで 見てあげてもいい。」
柴田「そうですよ 恵里さん。」
柴田「僕達 交代で 見る事も出来るし 保育園の送り迎えも出来ます。」
容子「そうだよ 恵里ちゃん。」
恵里「ありがとうございます。 でも 最初から甘える訳には いきません。 本当に困った時にとっておきます。」
みづえ「そう?」
恵里「はい。」
恵達「仕事の方は どうだったの?」
恵里「え?」
真理亜「どうした? 1日で 追い返された?『使えない』とか言われてさ。」
恵里「ハハハ…。」
一同「ハハハ…。」
恵里「おやすみなさい。」
真理亜「本当に 追い返されたのかな?」
柴田「そんなぁ…。」
容子「看護婦 初日に似てるね?」
恵達「そうですね。」
柴田「でも あの時とは違いますよ 顔が全然。」
恵達「そうですかね?」
柴田「疲れてはいるけど全然違いますよ。」
みづえ「母は強いわ。」
容子「なるほどね。」
真理亜「そうだ。 あんた どうした?」
恵達「僕ですか?」
真理亜「新曲 出来ないの?」
恵達「聞かないで下さい。」
真理亜「あら ダメ?」
恵達「ダメって まだ そんな…。 おやすみなさい。」
真理亜「あらら…。」
柴田「真理亜さんってホントに。」
真理亜「何?」
柴田「人の心を ひと言で凍らせますね。」
容子「ハハハ…。」
みづえ「童話に出てくる魔女みたい。 すてき。」
真理亜「凍らせてやろうか? 柴田君。」
柴田「結構です。 おやすみなさい。」
マンデリン
恵里「ふう! 疲れた。」
夜中
(和也の泣き声)
グアテマラ
真理亜「うわ 大変だ こりゃ。」
マンデリン
恵里「ごめんね 和也も疲れたんだよね。 ごめんね。 よしよしよし…。」
翌朝
恵里「和也 おはよう。 何か元気ないさ 和也? どうしたの? あ! 熱?」
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