サロン
みづえ「あら いけない 忘れてた。 すみません こっちへ お願い…。」
廊下
工事の男1「失礼します。」
恵理「あ もしもし?」
サロン
工事の男2「お食事中でしたか。 いや 遅くなって すみません。」
みづえ「いえいえ いいんですよ。」
工事の男2「あれ こんな小さい子がいるんだ 一風館さんに。 こんにちは。 あ こんばんはか。 ハハハハハ…。」
廊下
恵理「あ そうなんだ。 …うん。」
サロン
文也「どうしたんだ 和也。」
恵理「ん?」
静子「和也?」
廊下
恵理「あ ごめんね。(電話を切る)」
恵理「和也…。」
恵理「和也…。 和也… 大丈夫だよ。 和也…。
玄関前
恵理「和也…。 どうしたの? 和也。 お母さんに 言ってごらん。 和也… 何を そんなに 怖がってたわけ?」
文也「和也…。 どうした? おじさんたち 怖くないだろ? ん?」
和也は 何も 言いませんでした。 きっと 自分でも よく 分からないのだろうねぇ
サロン
祥子「あ 恵達君。」
恵達「ん?」
祥子「那覇 電話した方が… 心配してると思う。」
恵達「あ そうか そうだね。」
みづえ「そうね その方がいいわね。」
恵達「はい。」
古波蔵家
勝子「何でかね 和也に 何か あったのかねぇ。」
恵尚「うん そうだね。」
恵文「電話してみたら。」
勝子「うん でもさ… あ!」
2人「ん?」
ハナ「鳴るよ。」
(電話の呼び鈴)
一風館
恵達「もしもし? …うん。 びっくりした? いやね けがとか病気とか そういうんじゃないからさ あんまり 心配しないで。 うん …うん じゃあね。」
古波蔵家
恵文「何て? 恵達。」
勝子「なんか 大人の人の顔 見たら 急に 泣きだしてしまったって。」
恵文「ん?」
恵尚「和也がね? あんな 人なつっこい子だのに。」
恵文「であるよね。」
ハナ「であるね。」
勝子「大丈夫かなぁ。」
一風館
マンデリン
静子「ねえ 恵理ちゃん。」
恵理「はい。」
静子「心配するなって いっても 無理なのは 分かってるけど。 余り 思い詰めちゃ 駄目よ。 子供ってね 意外と 明日になると ケロッと 全部 忘れるなんてことあるから。 本当 分かんないから 子供って。」
恵理「はい ありがとうございます。」
文也「ありがとう 母さん。」
静子「うん。」
恵理は 心配で心配で たまりませんでした
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