ゆがふ
誠「どうも!」
兼城「おう オイナワンボーイ!」
誠「あれ? 恵里は?」
兼城「買い物に 行ってもらってるさ。」
誠「そうですか。」
兼城「聞いたよ 島に帰るって?」
誠「はい。」
兼城「沖縄は 温かく迎えてくれるさ。 それが 沖縄の いいところさ。」
誠「はい。」
兼城「ダメなところでも あるかな。」
誠「あ そうだ 店長! 東京デート どこへ行ったら いいでしょう?」
兼城「デート?」
誠「はい。 店長に聞いても 分からんかな?」
兼城「何でよ 勝手にダメに しないで!」
誠「いろいろ考えてるんですけど 最後に おいしいものを食べたい。 すてきな所で。 恵里 せっかく 東京に来たのに こんな所では つまらんでしょう。」
兼城「『こんな所』で 悪かったね。」
誠「どうしたら いいかな?」
(戸が開く)
兼城「あ 容子さん!」
容子「どうも!」
誠「どうも!」
容子「は?」
店の前
恵里「誠? 来てたの?」
誠「今 帰るところ。 恵里 明日5時に 迎えに来るから。」
恵里「うん。」
誠「おしゃれ しとけよ いとしの恵里。」
恵里「うん。」
誠「じゃあな!
フランス料理店
ウエイター「申し訳ありません 本日は 閉店です。」
誠「あ 知ってます。」
ウエイター「は?」
誠「予約した者です。 与那原です。」
ウエイター「ご予約ですか?」
誠「はい 明日の。」
ウエイター「池端さんからの ご紹介で。」
誠「そうです。 下見に来ました。」
ウエイター「『下見』で ございますか?」
誠「とっても大切な予約なんです。 私の愛する人とですね…。 最初で最後の デートなんです。」
誠「こういう店 来た事ないので 明日 おどおどしないため 下見に…。 注文の相談にも 乗ってもらおうと思いまして。 ダメですか?」
ウエイター「承知しました。 どうぞ!」
誠「ありがとうございます。」
ウエイター「お席は こちらを ご用意してます。」
誠「はい。 いいですね。 ここに座ってもらっていいですか。」
ウエイター「私ですか?」
誠「はい。」
ウエイター「失礼いたします。」
誠「男じゃ 感じ 出ないですね。」
ウエイター「申し訳ございません。 それでは メニューの ご相談ですが…。」
誠「ちょっと 待って下さい。」
計算機をだす誠
誠「いや 足りないと恥ずかしいから。」
ウエイター「ハハハ… そうですね。 ご予算を教えて頂ければ 最大級の サービスを させて頂きます。 特別に。」
誠「本当ですか?」
ウエイター「ええ。 あなたのような方に いい思い出を つくって頂きたいですからね。」
誠「ありがとうございます。」