近くの森
鳥を保護しようと木に登る恵里
文也「恵里 もう やめようよ 危ないって。」
恵里「し~っ!」
恵文「こちらです。」
伸生「おい。」
文也「お父さん。」
伸生「元気そうじゃないか。」
恵里「やった!」
足を踏みはずす恵里
恵里「あ~!」
文也「恵里!」
恵里を受け止める和也
伸生「おい 大丈夫か?」
静子「和也!」
伸生「和也! 和也!」
鳥を手当てする恵文とハナ
恵文「うん そこんとこは ええ。」
ハナ「これで いい?」
恵文「はい よし。 よしよしよし。」
恵達「姉え姉え。」
恵里「ん?」
恵達「元気だせ。」
恵里「ありがとう。」
勝子「申し訳ありません。」
和也「恵里は 大丈夫だったの?」
勝子「うん ありがとうねぇ 落ちて 頭でも 打ったら どんなになってたか 分からないもの。 和也君 本当に ありがとうね。 命の恩人だね 恵里の…。」
伸生「スゴイなあ お兄ちゃん。」
文也「うん。」
伸生「偉いぞ 和也。」
和也「うん 僕が 恵里を救ったんだね?」
伸生「ああ。」
文也「カッコよかったさ 兄貴。」
伸生「なんだ 言葉遣いまで 島の子供みたいになったな 文也。」
夕食
伸生「これは コンブですか?」
ハナ「コブイリチ…。」
勝子「おばぁが 作ったんです。」
伸生「ほう。 うん うまい。」
和也「これも おいしいよ。」
伸生「これは ゴーヤ。 ニガウリだろ?」
文也「なんだ 知ってるのか。」
和也「ねえ 明日 浜に行こう。」
伸生「ああ 行こう。」
文也「こんな大きいカニが いるんだよ。」
伸生「へえ。」
恵里「おばさん? 本当に ごめんなさい。」
静子「もう いいの。」
勝子「恵里 和也君は 元気になったけど まだ やっぱり 病気だからね。 あんまり ムチャさせたら 駄目よ。」
恵里「うん。 まだ 病気? 和也君。」
和也「まだ… 少しな。」
恵里「きっと 治ってしまうさぁ ここにいれば… ね。 八重山の太陽にあたって 海のにおいをかいでいれば 病気なんか 治ってしまうさぁ 絶対さぁ。」
和也「うん。」
静子「やめて! そういうの…。」