恵達「会えるの? おばぁは…。」
恵達「今 言ってきた? おばぁに 見つかったって…。」
恵尚「言えないよ~。」
恵里「何で?」
恵尚「見つけたには 見つけたさぁ。 でもよ…。」
恵里「何? どういうこと?」
恵尚「うん…それがよ。」
恵達「ひょっとして その人 死んでた?」
恵里「え?」
恵尚「そういうことさ…。」
恵里「え… ウソ~。」
恵尚「ウソじゃないよ。 お墓まで 見てきたよ 俺は…。」
恵里「そんな… かわいそうさ おばぁ。」
恵尚「うん…。」
恵里「おばぁ…。」
恵尚「参ったなぁ どうする?」
恵達「『どうする』って?」
恵尚「俺は 言えないよ そんなこと。」
恵達「でも 言えないって言ってもさ。」
恵尚「俺は 苦手さぁ そういうのダメ 恵達 頼む。」
恵達「嫌だよ 俺だって…。 姉え姉え。」
恵里「だって調べたの 兄い兄いだし…。」
恵尚「そういうこと 言ってもさぁ。」
恵尚「おう! おばぁ!」
ハナ「どうした?」
恵里「え?」
恵尚「何でもないよ。 なあ!」
恵達「ああ 下は 大丈夫なの?」
ハナ「ああ 2人とも 帰ってきた。」
恵里「そうなんだ よかったね 2人ともね 楽しそうだった?」
ハナ「うん 楽しそうだった。 お土産 もらったさ。」
恵尚「そりゃ よかったねぇ なぁ!」
恵達「そうだねぇ。」
2人「ハハハハ…。」
ハナ「恵尚。」
恵尚「はい。」
ハナ「見つかったね?」
恵尚「え?」
ハナ「ん?」
恵尚「うん 見つけたよ おばぁ。」
ハナ「そうねぇ。 どこね?」
恵尚「あ いや『どこね』って それがよ おばぁ。」
ハナ「だから『お墓はどこね?』って 聞いてるわけさ。」
恵里「え?」
恵尚「分かってたの?」
ハナ「お前の顔 見れば 分かるさ。」
恵尚「おばぁ…。」
ハナ「そんなこともあると 思っていたさぁ おばぁは。」
恵尚「おばぁ ごめんね。」
ハナ「お前が謝って どうする?」
恵尚「でもさ おばぁ。」
ハナ「恵尚 ありがとうね。」
恵尚「おばぁ…。」
ハナ「恵里?」
恵里「ん?」
ハナ「つきあいなさいね おばぁに。」
恵里「え?」
ハナ「お墓参りさ。」
恵里「私? うん いいけど。」
ハナ「チョット…『ゆがふ』にでも 行ってこようかねぇ。」
恵里「一緒に行こうか? おばぁ。」
恵尚「俺も 行くよ。」
ハナ「いいよ 1人で飲みたいさぁ おばぁは…。」
恵里「おばぁ…。」
ハナ「じゃ 行ってこようね。」