北栄総合病院
休憩室
祥子「それって 自分で作るの?」
恵里「そうだよ。 え? 祥子ちゃんは? お母さんに作ってもらってるの?」
祥子「そうだけど…。」
恵里「子供だねぇ。」
祥子「悪かったわね。 あ そういえば 恵達君 何が好き?」
恵里「恵達? 好き嫌い ないよ。 何でも食べるさ。」
祥子「うん そうなんだ。 結婚したら 上村先生のも作るの?」
恵里「え? やだ そんな 愛妻弁当? まったくもう!」
祥子「聞くんじゃなかった…。」
奈々子「いつにするか決まった? 結婚式。」
恵里「いえ まだ 全然です。 忙しいし2人の時間が合わなくて。」
奈々子「決まったら 早めに知らせてね。 休み調整するの 大変なんだから 看護婦は。 おまけに 医者と看護婦じゃさ。」
恵里「そうか そうですね。」
(ノック)
恵里「はい。」
遥「こんにちは!」
恵里「あ…。 どうも…。」
遥「ちょっと いいかな。」
恵里「はい。」
様子を見に行こうとする祥子
奈々子「やめなさい!」
祥子「え? だって。」
資材置き場
恵里「あの…。」
遥「おめでとう!」
恵里「え?」
遥「おめでとう。 するんでしょ 結婚。」
恵里「はい。」
遥「おめでとう!」
恵里「ありがとうございます。」
遥「うん。 上村の事 余り困らせないでね。」
恵里「え?」
遥「話は それだけ。 じゃ…。」
恵里「あ あの! 私… 私達 絶対に… 絶対に 幸せになります!」
遥「本当のバカかぁ…。」
恵里「え?」
遥「どうぞ ご勝手に。」
恵里「バカ? あ!」
奈々子「感謝しなさいよ。」
恵里「え?」
祥子「何? 何? 何? あの女 何だって。」
恵里「いや 別に。」
祥子「何?」
恵里「『おめでとう!』って。」
祥子「それだけ?」
恵里「うん。」
祥子「なんだぁ!」
カフェ
文也「そっかぁ。」
恵里「なんか うれしかった。」
文也「うん。 あの 結婚式の事だけどさ。」
恵里「うん。」
文也「どうしようか? うるさくてさ。 おふくろが『いつなのか』ってさ。」
恵里「あ ウチも。」
文也「やっぱり?」
恵里「うん。」