一風館
容子「いいね こういう時間もね」
祥子「はい」
容子「島田さん これ 何ていう曲?」
島田「覚える気あるのかな? 容子さん」
容子「多分 聞いても 覚えないと思う」
島田「やっぱりな フフ…」
祥子「あっ 動いてる」
容子「いいもんだよね その瞬間がね」
ツアー中の恵達
(着信音)
恵達「もしもし?」
一風館
祥子「もしもし 恵達? 私 今日ね 診察してもらった 順調だったよ」
ツアー中の恵達
恵達「そうか よかった あと少しだな 大丈夫 ちゃんと食べてるよ …うん …ああ じゃあ 仕事 戻るから じゃあな」
一風館
祥子「うん 頑張ってね」
ツアー中の恵達
恵達「うん パパかぁ… よし!」
バンドマン1「そういえばさ 恵達さん 昔 バンドやってたの 知ってた?」
バンドマン2「えっ そうなの? お前 知ってた?」
バンドマン1「『ブラックシュガー』っていうんだよ」
バンドマン2「『ブラックシュガー』? 聞いたことないな」
バンドマン 1「結構 いいところまで いってたらしいけどね その後が なんか うまくいかなかったらしいよ」
訪問看護中の恵理
恵理「こんにちは 上村で~す」
女性1「こんにちは どうも お世話になります」
恵理「いいえ とんでもないです」
寝室
恵理「どうですか 体の方は?」
老人1「お陰さまで 大丈夫です」
恵理「食欲も ありますか?」
老人1「はい」
さてさて 短い里帰りから 戻ると 恵理は 再び 東京で忙しく 仕事を始めたようでございます
恵理「夏バテしてないですか?」
女性1「大丈夫です」
恵理「腰の部分を こうやって つかんでもらって 一緒に ここのイスに 移動しましょうね いきますよ 1 2の3! よっ よいしょ! よいしょ! はい 完成!」
北栄総合病院
訪問看護科
奈々子「暑い… あっつ~ ああ~ 涼し~い! ああ~」
恵理「ただいま 戻りました!」
奈々子「お疲れさま」
恵理「あ~ 暑い」
奈々子「涼しいよ~」
恵理「えっ?」
奈々子「ああ~」
恵理「ああ 涼し~い」
聡子「よう! 元気で やってる?」
恵理「あ 看護部長! どうもです」
奈々子「どうも どうか されました?」
聡子「ううん 別に 私が 顔出すと みんな『どうかしました?』『何か ありました?』とか 言うのよね『問題があったから 何か 言いにきたんじゃないか』ってね」
恵理「はぁ…」
奈々子「なるほど」
聡子「…で どう? 何か失敗してない?」
恵理「してませんよ 大丈夫です これでも もうベテランですし」
聡子「危ないな~ そのころが 危ないのよね もう 仕事に自信もって ちゃっと やれるようなころ 慣れたころが 危ないのよね」
恵理「危ないって どういうことですか?」
聡子「自分で 考えなさい」
待合所
美帆子「お世話になりました ありがとうございました」
遥「お大事に」
美帆子「行こうか」
遥「どうしたの?」
愛子「うそつき! お母さん 治ってないじゃん」