待合所 夜
回想
愛子「うそつき! お母さん 治ってないじゃん」
回想終了
文也「あれ? どうした 浮かない顔して 何か あった?」
遥「ううん 全然 何も」
文也「そう?」
遥「うん 全然 大丈夫」
文也「うん じゃあ 頑張って」
辻内家
恵理「先に 血圧から 測りましょうね はい 失礼します きつくないですか 大丈夫ですか?」
美帆子「大丈夫です」
恵理「ちょっと低めですけど 大丈夫ですよ」
美帆子「はい」
恵理「次は 脈 測りましょうね 食欲は どうですか? ちゃんと とれてますか?」
美帆子「大丈夫です」
恵理「おなかに 痛みは ありませんか?」
美帆子「たまに ちょっと…」
恵理「治療の後なので 体のだるさとか あると思うんですけど よっぽど だるいようでしたら お薬も出ますし 点滴もできるので 言ってくださいね」
美帆子「ありがとうございます」
恵理「はい ありがとうございます」
美帆子「愛子」
愛子「うん?」
美帆子「そんなに見てたら 看護師さん やりにくいよ」
恵理「あ いいですよ 全然 じゃ 今度は おなかを見たいので ソファーに移動しましょうか」
美帆子「愛子… あなたは いいから お友達と遊んでらっしゃい いい?」
某所
そんなある日のことです いよいよ 明日 祥子ちゃんと恵達は 沖縄へ 出産のため 帰ることになりました
恵達「祥子 大丈夫?」
祥子「うん ありがとう」
和也「ねえ アイス食べたい」
文也「そっか そうだよな」
恵理「じゃあ あそこのベンチで 休んでたら? 私と祥子ちゃんで お土産 買いたいしね」
文也「分かった」
祥子「恵達も 休んでて」
恵達「大丈夫?」
祥子「うん 私も お土産 選びたいし」
恵達「そっか」
お土産屋
恵理「かわいいね」
祥子「かわいい~ どっちが 似合うかな~」
恵理「どうかな~」
祥子「見て これ」
恵理「これ かわいいね~ もう少し 大きくなってからだね すぐ大きくなるよ 和也みたいに わあ かわいいね~」
祥子「これ 男の子でも かわいいね」
恵理「祥子ちゃんに似た子が 産まれるといいね」
祥子「恵達は?」
ベンチ
和也「お父さん 風船 見てきていい?」
文也「ああ いいぞ あまり 遠くへ行くなよ」
文也「どうした 恵達?」
恵達「文也君はさ 和也 産まれる時 どんなだった? 怖くなかった?」
文也「う~ん… そりゃ 怖かったよ 何ていうのかな… 俺が父親になっても いいのかなと 思ったりもしたし…」
恵達「そっか… なんか 怖いね… 怖い… うれしいんだけどさ 俺 怖い… いいのかなって 思うよ こんな俺で…」
文也「そんなの みんな 同じだよ」
お土産屋
恵理「祥子ちゃん こういうのも いいよ」
祥子「ああ いいかも」
恵理「祥子ちゃん これ どう?」
祥子「あ いいかも」