あらすじ
戦争で両親を失った9歳のなつ(粟野咲莉)は、剛男(藤木直人)に引き取られ北海道・十勝にやってきた。剛男の説得で妻の富士子(松嶋菜々子)は、なつを受け入れることを決意するが、娘の夕見子(荒川梨杏)は、両親が優しく接する自分と同い年のなつの存在が気に入らない。そんな中、なつは柴田家の牧場で働かせてほしいと願い出る。富士子の父で、北海道の開拓者である泰樹(草刈正雄)は、なつの発言に意外な反応を見せる。
2話ネタバレ
丘の上のキャンパス
柴田家
語り<なつは 戦争で 父親と母親を亡くし 孤児となりました。 ある日 父の戦友だった人に 北海道の十勝へ 連れてこられました。>
剛男「あれが おじさんの家だ。 今日から なっちゃんの暮らす家だよ。」
<そこにいたのは 北の大地で暮らす 開拓者の家族でした。>
脱衣所
なつ「おばさん ありがとう…。 (泣き声)」
富士子「あれ どうしたの。 さあ もう泣かないで。 ごはんにしよう。 ね。」
居間
富士子「はい。」
なつ「わあ… すごい。」
剛男「さあ 腹 減ったろう。」
富士子「いっぱい食べてね。」
<それは 食糧難の東京では 見たこともないような ごちそうの山でした。 なつは 心で思ったのです。>
なつ「夢みたい…!」
<いや 口に出していました。 なつよ 食え。>
富士子「うまいかい?」
なつ「はい とっても おいしいです!」
富士子「牛乳の飲んでみな。」
なつ「はい。 おいしい! こんなの飲んだことない!」
富士子「さっき搾ったばっかりだから。 そんな新鮮な牛乳は 東京にはないっしょ。」
なつ「えっ ここで作ってるんですか?」
富士子「そだよ。」
なつ「すごい!」
剛男「今の東京じゃ 牛乳なんて まず飲めないからな。 みんな サツマイモばっかり食べてた。」
夕見子「私も たまには サツマイモ食べたい。」
剛男「ああ そうか?」
照男「あの甘い芋だべ。 食いたいな。」
なつ「こっちの方が 絶対においしいわよ。」
照男「えっ?」
剛男「そうだ なっちゃんも 学校に行かなければならんな。」
富士子「何年生?」
剛男「夕見子と同じ12年生まれだから…。」
富士子「したら 3年生かい。 あっ 着るもの どうしよう…。 夕見子 とりあえず あんたのもの 貸してやんなさい。」
夕見子「えっ…。」
なつ「ありがとう。」
泰樹「学校には 何て言うんだ。」
富士子「えっ?」
泰樹「どこの子だと言う気じゃ。」
剛男「そりゃあ… とりあえず うちで預かってると言えばいいでしょう。 私が行って説明しますよ。」
なつ「すみません。」
剛男「いいさ なっちゃんは んなこと。」