連続テレビ小説「あまちゃん」10回「おら、東京さ帰りたくねぇ」

天野家

春子「何それ キモい! そいつ危ないじゃん!」

アキ「追いかけたんだけど 見失っちゃって。」

春子「追いかけたの? あんたバカ? そういうね 盗撮するような男が キレたら 一番怖いんだからね。」

アキ「ごめん。」

春子「警察 電話した方がいいね。 あんた 何か特徴覚えてる?」

夏「大げさだな 母ちゃんは。」

春子「何が?」

夏「昔から 海女のシーズンは カメラ小僧の シーズンでもあんのさ。 今に始まった事じゃねえ。」

アキ「そうなの?」

夏「んだ。 減るもんじゃなし 撮られてるうちが 華だぞ。」

春子「ちょっと 変な事 言わないでよ。 あんたら大人が ちゃんと 見張るって言うから 海女やらせてるんです。 約束が違う。」

夏「そんな悪い奴じゃねえって ちょっと しゃべったけど。」

春子「しゃべったの? 変質者としゃべったの?」

夏「ありゃ 変質者じゃねえ。 大事な客だ。」

春子「ふん あきれた。 田舎もんは 簡単に 人を信用しちゃうんだよね。」

夏「東京の人は 被害妄想が 強えからな。」

春子「被害妄想?」

夏「自分の娘が なんぼかわいいか 分からんが 他人を信用できなきゃ この町じゃ 暮らしていけね。 さあ 帰れ帰れ! さっさと 東京帰れ!」

春子「言われなくても 帰りますよ!」

夏「ああ 帰れ帰れ!」

春子「2学期が始まったら!」

夏「ふん!」

春子「ふん!」

<2学期 その言葉を聞くと アキは 切なくなりました>

安部「これ逆だ!」

アキ「あ!」

<三陸の海の幸や 海女さんたちとの 楽しいおしゃべりとも あと2週間で お別れなんです>

安部「ああ! すげえな母ちゃん 娘も気になる。 紫外線も気になるで ロボコップみでえだ。」

アキ「ぷわ! 1分行ったべ? 美寿々さん!」

美寿々「46秒だ!」

アキ「嘘!」

かつ枝「ゆっくり数えろ! いざとなったら 助けに行くから。」

美寿々「1 2 3! 4! 5 6 7 8 9 10!」

(シャッター音)

春子「うん?」

ヒビキ「やべ!」

春子「ちょっと 何してんのよ あんた! ちょっと 待ちなさい! 待ちなさいって! ちょっと! 待ちなさいよ! 変態 変態!」

監視小屋

(ノック)

春子「変態!」

ヒロシ「すいません!」

春子「変態 変態 変態 変態!」

ヒロシ「え…。」

春子「変態!」

ヒロシ「え… え?」

春子「変態 変態!」

ヒロシ「すいません!」

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