連続テレビ小説「あまちゃん」118回「おらのばっぱ、恋の珍道中」

回想

アキ「よ~し じゃあ お待ちかね 逆回転だ~!」

春子「逆回転できないもんね 人生は!」

回想終了

スナック・梨明日

菅原「春子さんが言ったのか?『逆回転できねえ』って。」

よしえ「ええ。『壊れたら壊れっ放し 元には戻らない』って。」

夏「それはまあ それは春子にしか 言えねえ言葉だな。」

勉「春子さん ずっとユイちゃんの 面倒見てたんだよ。」

よしえ「それも伺いました。」

回想

春子「あなたが 家出したせいで ユイちゃんが荒れた事とか 髪の毛染めて 悪い仲間とツルんで 高校やめちゃった事とか 知らないでしょ?」

回想終了

よしえ「想像もつかなくて あの子のそんな姿。」

今野「お! 写真ならありますよ。 ほら!」

吉田「今野さん そういう空気じゃねえべ。」

かつ枝 弥生「あっちゃん こっち こっち!」

よしえ「しかも 皆さんに 優しくして頂いたおかげで 立ち直って 海女さんになった事も。 何か悔しくて!」

夏「悔しい?」

よしえ「だって あの子 弱い自分 さらけ出したって事でしょ。 それができたら どんなに楽かって思いながら 日々暮らしてましたから。 でも あなたが倒れて…。」

美寿々「何だ? 言いてえ事は 全部言っつまえ。」

弥生「んだ! ここはスナックだ。 犯罪以外は 何でも許される場所だ!」

吉田「そこまで自由でねえです。」

よしえ「夫のいない生活 想像して 怖くなったんです。 私 何のために感じのいい奥さん やってたんだろうって。『え? 子育て終わったら 私終わり?』って。 かと言って よそ者だし 今更『じぇじぇじぇ!』とか 言えないじゃないですか。」

弥生「それで 財布だけ持って 飛び出してきたのか?」

よしえ「はい。」

かつ枝「要するに現実逃避だな。 何もかも やんだぐなったって訳だ。」

美寿々「一人駆け落ちだな。」

花巻「なすて帰ってきた? 春子さんさ 説教されたがらか?」

よしえ「春子さんには むしろ止められました。『許しては もらえない』って。 だけど帰ってきたのは やっぱり ここが好きなんだと思います。 ここで家族と一緒に 過ごした時間が その思い出が 暗い過去になるなんて 耐えられないから。」

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