連続テレビ小説「あまちゃん」134回「おら、みんなに会いでぇ!」

北三陸

大吉「とにかく 列車走らせるぞ。」

吉田「え…?」

大吉「吉田君 一刻も早ぐ 列車走らすぞ。」

吉田「だって 線路が…。 見たでしょ? 途中で ねじ切れで あれじゃ どうにもなんねえ。」

大吉「幸い 袖が浜までの線路は 問題ねえ。 安全確認して 再開だ。」

吉田「駅長…。」

大吉「走れるかどうかの問題でねえ。 走らなくちゃなんねえのだ。」

ヒロシ「俺も そう思います。 車は流されで 使えねえ。 国道は がれきで塞がって 人が 線路の上 歩いてるような状態で…。 北鉄が走るっていうだけで 勇気づけられる人 いっぱい いると思います。」

吉田「足立 この野郎 いい事 言うじゃねえか 足立。」

大吉「走るべ。 たとえ 一区間でも 一駅分の往復でもいい 誰も乗らなくてもいい 運行を再開する事が使命だ。」

吉田「んだね。 北鉄は市民の足 地元住民の足ですもんね。」

大吉「第三セクターの意地 見せっぺ。」

一同「せ~の! せ~の!」

ヒロシ「あ~ 動いた!」

大吉「動いたど~!」

<こうして 北三陸鉄道リアス線は 被害の少なかった 北三陸~袖が浜間での運行を開始しました。 3月16日。 地震から 僅か5日後でした>

震災から5日後 北三陸~袖が浜 運行再開

大吉「お待たせしました。」

<一日たった3便。 通常時速90キロで走るところを 20キロのノロノロ運転。 なので 運賃はタダ。 それでも走るしかなかった。 走る事が北鉄の意地 大吉さんの意地でした>

(発車のベル)

夏「待ってけろ~!」

大吉「夏ばっぱ!」

夏「北鉄走ってんのに おらが 休んでる訳にはいがねえべ。」

吉田「夏さん んでも 一駅しか走りませんよ。」

夏「ちょうど いがった。 おらも ウニ足んなくて 5つしか作ってねえ。 さあ乗せろ 乗せろ! 早く! 早く乗せろ。 よいしょ…。」

大吉「出発進行!」

(警笛)

大吉「吉田君 ちょっと あれ。」

吉田「あっ…。」

大吉「お~ ありがとう! どうも どうも!」

吉田「駅長! 駅長 見て見て!」

大吉「いやいや! あ~ ハッハッハッ! どうも どうも!」

(警笛)

大吉「危ねえぞ。 気ぃ付けろ。」

<それから 1か月余りたった 4月29日 東北新幹線が 運転を再開しました。 耳慣れない言葉が 飛び交っていました 節電 デモ 風評被害 自粛 就任 解任 そして 絆>

<映画『潮騒のメモリー』は 公開後1週間で 打ち切りになりました。 CDは ひっそり売られていましたが 宣伝は自粛>

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