水口「…っていう流れで。」
アキ「へえ~! …っていうか 何してるんですか? こんな暗闇に ユイちゃん連れ込んで!」
ユイ「相談に 乗ってもらってたの。 最短距離で 夢を実現する方法を 一緒に考えてもらったり 夕方のテレビに 出るようになったのも 水口さんの アドバイスなんだ。 もうすぐ 18じゃん? 決して若くないし 顔と名前 覚えてもらった方がいいって。」
水口「まあ 2人とも いいキャラだし 本当は 君も東京に 連れていきたいんだけど 何か忙しそうだし 興味ないんじゃね。」
<ユイちゃんと 2人で東京へ。 アキには 想像すらできない事でした>
スナック・梨明日
美寿々「じゃあ お先に。」
春子「お疲れさま! 気を付けてね。 さ~て。 私も もう出れるからさ 車回してきてよ。」
大吉「もう一杯飲みなよ おごるよ。」
春子「マジで? そう…。 じゃ 頂いちゃおうかな。 ヘヘヘ! よいしょ。」
大吉「臨時列車 出せる事になったよ。」
春子「うん。」
大吉「海女カフェのおかげで また乗客が増えたんで 夏の間だけ 30分置きに 運行する事になった。」
春子「へえ~ すごいじゃん! こないだまで 廃線って騒いでたのにね。」
大吉「春ちゃんの おかげだよ。」
春子「ハハ! 何もしてないよ私は。 全部 アキとユイちゃんの おかげでしょ?」
大吉「きっかけを つくったのは 春ちゃんだべ。」
春子「そうかな。」
大吉「春ちゃんが 帰ってきてくれたおかげで 町が動き出したと 俺は思ってる。 だから 感謝してる。 ありがとう。」
春子「まあ 私も 随分変わったでしょ?」
大吉「え?」
春子「去年の今頃はさ 話し相手も 居場所もなくて いっつも イライラしてた。 今もイライラは するんですけどね。 でも何かこう 昔のダサかった 自分が嫌いで 嫌いな自分がいた この場所が嫌いで イライラしてたの。」
春子「だから 前の前にいる人とか 海とかさ 景色とかさ 見えてなかったんだよね。 でも最近は 思い出さなくなってきたよ 昔の事。 目の前の事で いっぱい いっぱいでさ。 何か毎日 何かあるじゃん。 イライラを ぶつける相手もいるし こことか うちとか 居場所もあるし 何か 景色も変わった気がする。」
大吉「アキちゃんの おかげだな。」
春子「うん! そうだね。 でも アキも 夏さんに会うまでは 暗い子だったからね。」
大吉「じゃあ 夏ばっぱか?」
春子「何だかんだ言って すごい人ですよ 夏さんは。 うん。」
天野家
(犬のほえる声)