公園
愛「どうして分かったの?」
小豆沢「実家戻ってて。 アホの弟に どら焼き持ってったら あんたと話してたの。」
愛「そうだったんだ。 弟君が。」
真衣「そもそも うちはダブルワーク禁止。 就業違反だってのは分かってんだよね? 分かってやってんだよね? 逃げてんだから。 地下アイドルの生活を支えるためんい CD買って グッズ買って 財政破綻してるわけ?」
愛「破綻してないよ。」
真衣「してるでしょ! こんな風俗まがいのい バイトしてるってことは。」
愛「別に風俗じゃないし。」
真衣「バカなんじゃないの!? あんた。 こんなことまでして貢いで。」
愛「いいでしょ 別に 私が好きで やってんだから!」
真衣「あ~ あ~あ…。 完全に金づるのセリフだね。」
愛「別に金づるじゃないし。」
真衣「向こうは金づるとしか思ってないよ。」
愛「あのね 何も知らないのに言わないでくれる? 私とハナは…?」
真衣「友達とか言わないでよ。 養ってもらってて 友達とか ありえないから。」
愛「一緒に こう 夢を追いかける同志みたいなさ…。」
真衣「仮に 私に売れないバンドマンの 彼氏がいたとしてさ。 ダブルワークで キャバ嬢やって 養ってあげるわけ。 CD 鬼ほど買ったげるの。 彼の夢を一緒に追いかけてるの。 彼は絶対 売れるから。 そう言ったら あんた 私のこと どう思う? とにかく ドルオタ やめなよね。」
愛「別に 真衣に そこまで言われる筋合い ないと思うんだけど。」
真衣「やめないと このこと 会社に報告するから。」
愛「はあっ!」
真衣「じゃあ。」
愛「ちょ…。 くう…。」
愛の部屋
ハナ「『今回は 本気のゆでたまごなので 切った時にも ちゃんと黄身が真ん中に来て…』。」
愛「とりあえず やめたって 言っときゃいっか。」
ハナ「『(せきこみ)ああ すいません。 大丈夫です。加湿器が壊れちゃったんです』。」
愛「加湿器?」
ハナ「『買い替えようって思ったんですけど これ 新しくかっちゃいました。 前のも あったんですけど こっち欲しいなと思って』。」
回想
愛「別に金づるじゃないし。」
真衣「向こう金づるとしか思ってないよ。」
愛「これって…。」
回想
ハナ「洗濯機プレゼントされたんですよ。」
愛「えっ… 洗濯機!?」
ハナ「私が ねだったって言うんです。 してないんですよ そんなの。」
愛「こういうことだった…? あ…。」
ハナ「『あっ こんばんはです』。」
ハナ「『あ… 働いてました 一時期』。」
ハナ「『そんなことも ありましたね』。」
愛「え?」
回想
ハナ「瓜田さん 初めは 前のバイト先で 声かけられたんですよ。」