道中
小豆沢「おばはん おばはん。 俺 よく分かんねえんだけど あれ ハナが きついいじめ やってたってことなのかな? あの人は ハナが いじめてた人の お母さんってこと…?」
愛「知らないよ。 私は ハナの友達じゃないんだから。」
小豆沢「え?」
愛「ただの金づるだから。 知らない!」
食堂
愛「真衣。」
真衣「これ あの子たちが宣伝してる卵?」
愛「食べ物を捨てるのは抵抗があって。」
真衣「捨てる?」
愛「真衣の言うとおり 私 ただの金づるだった。 私が あの子から聞いてた話って 嘘ばっかでさ。 まあ でも 別に それはいいと思うの。 アイドルなんて 自分盛って盛っての商売なんだろうし。 でも 決定的に分かっちゃうとダメだよね。 不器用な感じも 計算だったんだって思うと 何か すごい バカにされてる気がして。」
愛「バッカじゃないかって思ってたの。 アイドルに恋人がいたとか 結婚したとかで『裏切られた』ってなる人たち。 でも 当事者になってみると こういう感じなんだって 何か…。」
真衣「愛ってさ ちょっと うちの親に似てんのよ。」
愛「え?」
真衣「見栄っ張りな人でさ。 私は 優等生っていう アクセサリーでさ。 けど 弟は 母親のアクセサリーには なりにくい子だったわけ。 で 悩んだ母親は スピリチュアル系に走って。 この教えを世界に広めなきゃって ハマって 借金までして。 本当 家ん中 大変だったんだよ。 今回は ここで止められて よかった。」
愛「ありがとう。」
菜摘「あ~ いたいた~。 フフフフフ。」
真衣「ああ 菜摘。」
菜摘「お二人さん。 こういうお誘い あるんですけど。」
真衣「えっ 何? 合コン!?」
取調室
聖護院「それで 結局 前の生活に戻ったってことですか?」
愛「はい。 でも どこか物足りないっていうか。」
(携帯の通知)
聖護院「あ すいません。 はい。 うん 瓜田さん…。 えっ? あ… 本当なのか? それ。 そうか。 分かった。 はい。」
愛「あの 瓜田さん 何て…。」
聖護院「まだ ちゃんとは 話 できないので イエス ノーで 意思表示してもらう形なんですけど。 瓜田さん 記憶がない… と。」
愛「きお… き…。 あの… あの人 嘘ついてます。 何で私に押されたのか 離されたら まずいから。 だから 嘘をついてるんだと思います。」
聖護院「瓜田さんは 何か 捕まえるようなことをしたんですね。」
愛「彼は 野放しにしてはいけない人です。」
道中
紀子「愛さ~ん。」
愛「のりたまちゃん? 久しぶり!」
紀子「愛さん。 ハナ 今 どうなってるか 知ってます?」
愛「ごめん。」
紀子「ですよね。」
愛「どうなってるの?」
紀子「こないだの話とか動画とか 拡散されまくって 炎上しちゃうし。 ハナ 今 ステージにも 立ててないんですよ。 運営は もうこのまま ハナを切るって 言っちゃってて。」
愛「え… ハナを切る?」