連続テレビ小説「エール」118話「エール」ネタバレ

居間

音「どうぞ。」

木枯「あっ ありがとうございます。 鉄男君のおでん 懐かしいな~。」

裕一「みんなで集まって 愚痴ばっかり吐いてたね。」

木枯「あのころの裕一は 本当に自信なかったけど 今や 大先生だもんな。」

裕一「いやいや…。」

鉄男「いやいや… もう 木枯さんには比べ物になりませんよ。」

裕一「何だよ! アハハ…。」

鉄男「まあ 裕一は裕一のよさがある。 おえめの歌は はやりもんじゃねえ。 ずっと残る音楽だ。」

木枯「そう。 俺のは売れる音楽。 お前のは残る音楽だよ。」

鉄男「木枯さんは 売れて 残ります。」

裕一「大将…。」

音「『丘を越えて』『酒は涙か 溜息か』『東京ラプソディ』。」

裕一「うん!」

音「『無法松の一生』。」

裕一「うん!」

音「ああ…。」

鉄男「いや 音さん 俺と木枯さんの『湯の町エレジー』忘れちゃ困んな。」

音「♬『伊豆の山々』」

木枯「よっ! アハハ。 音さんの声 合うね~。」

鉄男「ああ! 合う合う」

(笑い声)

裕一「出会ってから何十年も たつけどさ みんな それぞれ活躍してるなんて 本当に奇跡だよ。」

鉄男「ああ…。 その俺たちの集大成が オリンピックだからな。 裕一 頼むぞ。」

裕一「うん! フフフフ…。 あ~ うれしいな。」

鉄男「うん!」

音「久志さんと藤丸さんも呼びましょうか?」

裕一「あ~ 呼ぼう 呼ぼう!」

久志と藤丸が合流

♬『汽車の窓から ハンケチ振れば』

裕一「ラン ランラ ランランランランラン。」

♬『牧場の乙女が 花束なげる』

裕一「ジャン ジャンジャ ランランランラン。」

♬『明るい青空 白樺林』

裕一「ジャンジャ ジャンジャン。」

♬『山越え谷越え はるばると』

久志「ダンダ ダダダダ」

♬『ララララ ラララララララ 高原列車は ラララララ 行くよ』

音「あっ…。(くしゃみ)ああ…。 いたたた… はあ…。 ああ…。」

裕一「木枯君に相談したって?」

音「心配だったんです。」

裕一「何だって?」

音「生む楽しみを先延ばしにしてるか 最後のピースが見つからないかって。」

裕一「いや~ さすがだね。 どっちも正解。 僕さ… 日本で行われるからって 日本古来の音楽取り入れたり 復興を高らかに叫ぶマーチになんか したくなかったんだ。 こう… もっと普遍的な 世界中の人々が 心高鳴る音楽にしたかった。 そうやって心に決めたら 毎日 あふれんばかりの音が 僕の中に降ってきたけど 何かが足りなくてね… 書き出せなかった。」

音「その『何か』は見つかりました?」

裕一「うん 見つかったよ。 今さっき。」

音「この醜態?」

裕一「いつ会っても 出会った頃のように騒げる 仲間がいる。 これ以上の幸せってあるのかな? 何より尊いのはさ 人と人とのつながりだと思うんだ。 僕は それを曲に込めたい。」

オリンピック開会式当日

(荒い息遣い)

オリンピック 控室

音「裕一さん もうそろそろ。」

裕一「うん… うん。 もうちょっと待って。 こ… 心の準備がね。 うん…。」

音「はい。」

裕一「ごめんね。」

音「はい。」

裕一「ふう…。」

係員「失礼します。 時間です。 ご移動お願いします。」

音「はい。 裕一さん。」

裕一「あの… 少しだけ時間下さい。 心を落ち着かせてきます。」

その後の顛末は 皆さんもご存じ。 トイレに閉じこもった裕一を音が連行。

音「裕一さん!」

エールの画像

会場入り口まで連れていくも だだをこねる裕一。 音の説得にも ふんぎりがつかないところに 居合わせた長崎出身の警備員が 熱い思いを伝えると…。

警備員「先生の晴れ舞台ですけん どうか… どうか 会場で!」

裕一「ありがとう。」

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