連続テレビ小説「エール」82話「歌の力」ネタバレ

汽車

三隅「先生がおっしゃるとおりでした。 明るくて力強い! これ いけます!」

裕一「そうですか。」

三隅「完璧ですよ~。」

裕一「西條先生は 詞のこと 何か言われてました?」

三隅「いいえ… というか『なるほど! そこは削った方がいい』と おっしゃってました。」

回想

三隅「そこをなんとか! ひとつ!」

西條「う~ん…。」

裕一「そうですか。 よかった。 ただ…。」

三隅「はい?」

裕一「何か違う気がするんです。 三隅さん…。」

三隅「先生 そんなことはありません!『若鷲の歌』は最高です! 史上最高の映画主題歌です。」

裕一「いや…。」

三隅「気のせいです。 訓練する若者を勇気づけます。」

裕一「でも…。」

三隅「何ですか?」

裕一「まだ何かあります。」

三隅「何か?」

裕一「明日って 朝一番で曲の発表ですよね?」

三隅「はい… その手はずです。」

裕一「それ 待って頂けませんか?」

三隅「へっ?」

裕一「もっと彼らのことを知りたいんです。」

三隅「はい?」

裕一「3日… いや… 1日だけでもいいです とにかく 彼らのことを知りたい。」

三隅「つまり… 見学したいと?」

裕一「予科練の若者の気持ちを もっと こう 熱く… もっと深く こう 表現できるんじゃないかって。 何か こう… この辺りまで 来てるんですけど 引っ掛かってて。」

三隅「ここですか?」

裕一「こ… この辺です。」

三隅「あっ それ 魚の骨じゃありませんか?」

裕一「ご迷惑なのは承知してますが どうか…。」

三隅「う~ん… 僕は これで十分だと思うけどな~…。」

裕一「何か… この心の内を まだ昇華できてないんです。 三隅さんも おっしゃいましたよね この作品に懸けると。」

三隅「そのお気持ちは ありがたいんですが… うちにも予算と予定がありまして。」

裕一「三隅さん!」

三隅「はい…。」

裕一「もう一曲だけ書かせて下さい! お願いします! どうか お願いします! お願いします…。」

三隅「分かりました!」

裕一「ありがとうございます。」

三隅「うん… うん…。」

(戸の開閉音)

三隅「んんっ! ああっ! もう 何なんだよ 何なんだよ! ああっ!(じだんだを踏む音)」

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