古山家
トキコ「これだけ… 帰ってきました…。(すすり泣き)」
関内馬具跡地
光子「♬『うるわしの白百合 ささやきぬ昔を イエス 君の墓より いでましし昔を うるわしの白百合 ささやきぬ昔を 百合の花 ゆりの花 ささやきぬ昔を 春に会う花百合 夢路より めさめて かぎりなき生命に 咲きいずる姿よ うるわしの白百合 ささやきぬ昔を 百合の花 ゆりの花 ささやきぬ昔を』。」
古山家
玄関
音「ハア… ハア…。 ただいま。 あっ… よいしょ。 ハアハア…。 暑っ…。」
廊下
音「裕一さん? どうしたんです?」
裕一「華…。 弘哉君が亡くなった。 僕のせいだ…。 僕のせい…。」
音「あなたのせいじゃない。 あなたは自分の役目を果たしただけです。」
裕一「役目? 音楽で… 人を戦争に駆り立てることが 僕の役目か? 若い人の命を奪うことが 僕の役目なのか? 音…。 僕は音楽が憎い。」
華「お母さん… お母さん…。 弘哉君に会いたい… 弘哉君に会いたい! ねえ お母さん! ねえ お母さん! お母さん 弘哉君に会いたいよ! 弘哉君に会いたい! 弘哉君… ああ~! あっ ああ~!」
この日以来 裕一は曲を書かなくなりました。