音楽教室
羽生「ベルトーマスよ! ベルトーマス!」
音「すみません 覚えづらくて。」
羽生「言っとくけど 芸名じゃないから。 本名だから。」
音「そりゃ 自分でベルトーマスなんて 付ける人いないでしょう。」
羽生「あなた バカにしてるの?」
音「すみません。」
羽生「まあいいわ。 とりあえず 声出してみて。」
音「はい。」
(ピアノ)
音「♬『ま~ ま~ままままま~ ま~ ま~ ま~ままままま~ ま~』。」
羽生「オッケー。 声の質はいいわね。」
音「ありがとうございます。」
羽生「というより あなたみたいな人の話 昔 聞いたことあるような 気がするんだけど。」
音「へえ~。」
羽生「それ! その ものおじしない感じ。」
(ノック)
羽生「あら ちょっと早いわね。 友達が来ちゃったんだけど いいかしら?」
音「どうぞ。」
御手洗「あっ… まだ生徒さん いたのね。 ソーリー。」
音「あっ!」
御手洗「ホワッツ!?」
音「先生!」
御手洗「何回言ったら分かるの? 私は ミュージック ティーチャー…。」
古山家
裕一「占い師? 御手洗先生が?」
音「そう。 留学中に覚えたんですって。」
回想
御手洗「悩みや苦しみを抱える人のために 今 私にできることは何って考え始めたの。」
裕一「ハハハ… 多才だな~ 羨ましい。」
音「久しぶりに歌ったら すごく心が躍った。 まだ… まだ曲を書くつもりはない?」
裕一「実はね… 一度だけ 譜面に向かったんだ。」
回想
裕一「あっ あっ…。」
裕一「譜面が怖い。」
音「あなたが体験したこと 背負ったことは 大変だと思います。 でも あなたを信じてる。 私は待つ。」
裕一「うん…。 ごめん…。」