布美枝「いいえ 素人ですから 線を引いたり 墨を塗ったりするくらいで。 前は 手伝いの人頼む お金もなかったですから。」
倉田「はい。」
布美枝「けど それはそれで 結構 楽しかったんですよ。 2人で 朝まで カリカリ カリカリ。 今は アシスタントさんが 3人もおられるでしょ。 私の出番は なくなってしまって。 何か できる事はないかって 考えて…。 思いついたのが みそ汁なんです。」
倉田「え…。」
布美枝「倉田さん達が 健康で元気で 頑張ってくれる事が 何よりも うちの人の助けになります。」
倉田「奥さん…。」
布美枝「ステーキや ウナギは 出せませんけど 残り野菜で みそ汁作るくらいなら 毎日でも できますから。」
菅井「お~い クラさ~ん!」
布美枝「呼んでますよ。」
倉田「ごちそうさまでした!」
布美枝「はい!」
仕事部屋
倉田「先生! こっち 上がりました。」
茂「うん。 力の入った ええ絵だ。」
倉田「ありがとうございます! よし! 根性や!」
<それから 数日後の事です>
玄関
豊川「奥さん! 決まりました!」
布美枝「え?」
船山「『悪魔くん』の放映が 決まったんです!」
豊川「やりましたね!」
布美枝「あ…。」
豊川「奥さん!」
布美枝「お父ちゃん! お父ちゃん 大変!」
茂「大声出して…。」
布美枝「『悪魔くん』が テレビになるんです!」
茂「ええっ?!」
豊川「決まりました!」
茂「ほんとに?!」
<うらしい知らせが 飛び込んできたのです>