連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第106話「悪魔くん復活」

浦木「おや 皆さん おそろいで。」

茂「何だ また お前か…。」

浦木「『何だ』とは ご挨拶だね。 奥さん これ お祝いです。」

布美枝「あ~ ありがとうございます。 浦木さんから お土産 頂くなんて。」

茂「珍しい事も あるもんだなあ。」

浦木「いや~ つまらんもんですがね。」

茂「う~ん どれどれ? あ?」

佐知子「あら これ 雑貨屋さんの 回転祝の配り物の粗品。」

浦木「あ し~っ し~っ!」

茂「ほんとに つまらんもんだな!」

浦木「まあ あれだ。 気は心だ。 な。」

藍子「おじいちゃん…。」

雄一「おい 藍子 この人はな お父さんの友達だぞ。 おじいちゃんは 失礼だろう。」

(一同の笑い声)

浦木「誰が おじいちゃんだ? こら!」

茂 布美枝「嘘…!」

藍子「おばあちゃんだ。」

雄一 佐知子「え…?」

絹代「フフフフフ! あ~! なんとか間に合った。」

(佐知子の悲鳴)

布美枝「お母さん…。」

修平「まだ 余裕が あ~だねか。 『急がんでも ええ』と言ったろ。 せかせか歩くけん 息が切れ~わ。」

茂「イトツ…。」

光男「うわ~!」

茂 雄一「光男!」

光男「よう しばらく。」

茂「お前まで…。」

絹代「しげさん おめでとう! ハハハ! これは よいしょ! お祝い!」

茂「お~ 境港の芋か!」

<放送開始直前 境港の両親が 茂の弟の光男まで 引き連れて 現れたのでした>

雄一「おい お前 九州の会社に 勤めとったんじゃなかったのか?」

光男「出張で米子まで行ったけん ついでに 境港まで顔出したんだ。」

茂「それが 何で 東京におるんだ?」

光男「それはだな…。」

絹代「テレビが壊れたんだわ。」

茂「え?」

絹代「画面が ザーザーするけん 光男に見て もらったら かえって悪なって。」

光男「何 言っとるんだ?!」

修平「ええけん お前は黙っとけ。」

絹代「しげさんの番組 見逃したら いけんでしょう。 買い替えたらと思ったけど ほんなら いっその事 東京 行って 一緒に見る方が ええと思ってね。」

雄一「どうして そういう理屈になるんだ。」

光男「俺は 荷物持ちで 無理やり 引っ張ってこられたんだわ。」

雄一「お前 会社は どげした? 平日なのに。」

光男「仮病 使って 休みもらった。」

雄一「そんな事して 大丈夫か?」

絹代「浦木さん!」

浦木「は はい!」

絹代「何しとるの? 遠慮せんで あんたも食べなさい!」

浦木「あ はい…。 いや あの 僕は あの そろそろ 失礼します。 家族水入らずのところを お邪魔するのも何なんで。

絹代「茂のテレビは どげするかね? 見んで帰るのかね?!」

浦木「え?」

絹代「見んで帰るかね?!」

浦木「あの よそで 一緒に見る約束が ありまして。 茂君 おめでとう。」

茂「うん。」

浦木「それじゃ。」

茂「茂君…?」

いずみ「イタチさんが退散してったね。」

布美枝「浦木さん お母さんに弱いけん。」

倉田「先生 仕事 片づきました。」

菅井「そろそろ 始まりますね。」

茂「あ もう時間か?」

修平「この人達は?」

茂「うちのアシスタントだわ。」

絹代「いつの間にか 大所帯になっとるねえ!」

茂「ああ。」

絹代「この人らの生活も あんたに かかっと~だけん ますます 頑張らんと!」

茂「あっ!」

絹代「いけんねえ!」

茂「あ 痛~!」

絹代「ハハハハ!」

布美枝「そろそろ 始まります!」

一同「おおっ!」

テレビ『悪魔くん』

いずみ「うわ~ 何か 怖いね。」

布美枝「し~っ。」

テレビ『悪魔くん』 『エロイム・エッサイム エロイム・エッサイム』。 『話~!』。 『悪魔くん』

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