台所
布美枝「取れました! 運転免許!」
茂「ほう!」
布美枝「運動音痴だけん 何度も補習ついてしまったけど…。」
いずみ「よう頑張ったよ!」
茂「ああ。 なかなか立派なもんだ。」
布美枝「はい!」
いずみ「これで 私も安心して 大塚に帰れるわ。」
布美枝「え?」
客間
布美枝「見合いは どげするの?」
いずみ「戻って話を聞いてから考える。 お父さんが 何と言おうと 嫌な相手だったら 見合いはせん。」
布美枝「うん。」
いずみ「けど… 私は まだまだ 甘ちゃんだね。 郁子さんみたいに 仕事に生きる覚悟はないし 姉ちゃんみたいに とんでもない 貧乏にも耐えられそうにもないし。 茂兄さんも アシスタントのみんなも 一生懸命やっとる。 私も一歩 踏み出さんといけんわ。」
布美枝「いずみ ええの? あんた もしかして 倉田さんの事…。」
いずみ「あの人 よう 頑張っとるよね。 まだまだ 脇目 振らずに 死に物狂い 描かんといけん。 そげせんと 茂兄さんみたいな 本物の漫画家には なれんもん。 私… ずっと応援しとる。」
<そして 8月の終わりに…>