連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第119話「妖怪いそがし」

玄関

喜子「お母ちゃん 早く 早く」

藍子「おとなしくしないと 置いてくよ。」

布美枝「すまんね。」

喜子「嫌だ。」

布美枝「研修続きで 疲れとるのに。」

貴司「いや うちの子供への土産も 藍子に選んでもらったら 間違いなしだ。 なあ 藍子。」

藍子「うん 早く行こう!」

貴司「うん。」

布美枝「ちょっと 待って おばあちゃんが まだだわ。」

藍子「おばあちゃんも行くの?」

布美枝「叔父ちゃんの事 すっかり お気に入りで 一緒に買い物に行くって。」

藍子「ふ~ん。」

布美枝「おかしいねえ 支度 もう できとるはずなんだけど。」

貴司「ああ。」

両親の部屋

布美枝「大丈夫ですか?」

絹代「う~ん。 出かけようとしたら 胸が キュ~と 痛なって。 やっぱり 心臓がいけんのだわ。」

布美枝「病院 行きましょうか?」

絹代「ええ。 こげしとったら治る。 けど 街までは とっても行かんれんけん あんたやちだけで行ってく~だわ。」

布美枝「けど…。」

絹代「ええけん 行きなさい。」

玄関前

喜子「お母ちゃんも 来ればいいのにね。」

貴司「おばあちゃんは 具合が悪いけん しかたないよ。」

藍子「おばあちゃんの心臓 半分 気のせいだと思うけど。」

貴司「そげか…。 姉ちゃんも大変だな。 行くか!」

両親の部屋

布美枝「洗濯物 取り込んできました。」

絹代「あ だんだん!」

布美枝「お父さん 食事の支度 私がやりますけん。」

修平「ええわ ええわ。 今夜は 天ぷらだ。」

布美枝「ほんなら 私 これ 片づけてきます。」

修平「うん。」

絹代「ええけんね。 こっちの事は こっちでやるけん。 だけん あんたは行きなさいと 言ったでしょう。」

布美枝「けど…。」

絹代「私に何かあっても うちの事は お父さんが 何でもできる。 日頃から そげなふうに やっとるけんね。 年寄り2人 しげさんの世話になっとるけど 私は 心臓が悪いけん お父さんより 先に逝くと思うわ。 身の回りの事 一つできんような 人を 残しては おけん。」

布美枝「お母さん…。」

絹代「今のうちに 何でもできるように なっとってもらわんと。 あんた達に 世話は かけられんけん。」

修平「(鼻歌)」

絹代「だけん 布美枝さん。」

布美枝「はい。」

絹代「あんたは しげさんの事だけ 心配しとれば よろしい!」

布美枝「はい。」

絹代「亭主の健康を気遣い 丈夫に働いてもらうのは 女房の役目だけん!」

布美枝「はい!」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク