連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第11話「ご縁の糸」

邦子「フミちゃんに 話してなかったんですかね?」

哲也「何を?」

邦子「冷蔵庫と洗濯機の事。」

哲也「どげだったかな。 おやじが 『冷蔵庫買うぞ』と言いだして すぐに頼んだけん。」

邦子「まあ~!」

哲也「いけんのか? 冷蔵庫や洗濯機があったら 布美枝だって 助かるだろ?」

邦子「そうですけど…。 今まで 家の中心になって 頑張ってきたのに 何も知らんうちに 台所の物 買われたら フミちゃん ええ気持ちは せんですわね。」

哲也「お前の考えすぎだわ。」

邦子「男の人には 分からんけんね。」

飯田酒店

貴司「明日の注文 ちょっこし 増やすか。」

布美枝「貴司。」

貴司「ああ…。」

布美枝「これ もらってきた。 おいしいいよ。 後で 食べよう。」

貴司「どげだった? ラーメン うまく いったか?」

布美枝「…失敗。 やりつけん事 やっても うまい事 いかんわ。」

貴司「そげか…。 特級酒は 少し減らしてもええな。」

飯田家

仏間

布美枝「おばば。 うちに 冷蔵庫と洗濯機が来たよ。 店も うちも もう私がおらんでも 困らんね。 いつまでも うちにおったら いけんな。 どげしたら ええのかなあ。 ええ ご縁が ありますように。」

居間

源兵衛「これで 一目半勝ちになるな。」

ミヤコ「布美枝が ひがまんと ええですけど。」

源兵衛「ん?」

ミヤコ「あの子に 何の相談もせんで 冷蔵庫やら 洗濯機やら 買って。」

源兵衛「うちの跡取りは 哲也だけん 家の事は 何でも 邦子と 相談して決める。 それが筋だわ。」

ミヤコ「はあ。」

源兵衛「いずれは 布美枝は 家を出て 嫁にいく娘だけん。」

ミヤコ「いつになりますかね。 早(はや)こと 嫁にやらんと いけませんね。」

源兵衛「分かっとるわ。 でも やる先がなては どうにもならん。」

ミヤコ「背が釣り合わんとか 時期が悪いとか 話が進まんうちに とうとう 出しそびれてしまって。 ええ子なのに なして ご縁に 恵まれんのですかねぇ。 (ため息)」

(小鳥の鳴き声)

玄関前

ユキエ「フミちゃん!」

布美枝「ユキ姉ちゃん! どげしたの?」

ユキエ「近くまで来たけん これ持ってきた。」

布美枝「わあ~ おいしそう! 上がって。」

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