すずらん商店街
布美枝「あ …アキ姉ちゃん?」
暁子☎『フミちゃん どうした?』
布美枝「うん 大塚の方 何か 言っとったかなあと思って。」
暁子☎『心配するような事は 話してないけん。」
布美枝「そう。」
回想
一同「元気でやれよ! 頑張れよ! 元気で!」
回想終了
布美枝「もう 戻れんもんな。」
暁子☎『えっ? 何かあったの?」
布美枝「ううん 何でもないけん。 用事は それだけ。 うん。 じゃ また かけるけん。」
キヨ「待ちなさい! 仕事が休みの日くらい 店 手伝ったらどうなのさ!」
田中政志「貸本屋の店番は おふくろがいりゃ 間に合うだろ!」
キヨ「年寄りを こき使って!」
政志「一発 当ててくるよ。 第5レース 大穴 来そうなんだよ。」
キヨ「バカ言うんじゃないよ! 馬でもうかった ためしはないよ!」
政志「分かっちゃいるけど やめられないってな。 店 頼むよ。」
キヨ「まったく もう! ろくでなしの のら息子が!」
布美枝「息子さん? 親子げんかか…。」
キヨ「イタ! イタタ! イタ~イ!」
布美枝「どげしました?」
キヨ「急に痛みが出てね。」
布美枝「リューマチですか?」
キヨ「ああ…。 あ あんた この間の?」
布美枝「あ…。 今 おうちの人 呼んできますね!」
キヨ「いない。 仕入れに行ってて。」
布美枝「大丈夫ですか?」
キヨ「(うめき声)」
こみち書房
布美枝「大丈夫ですか? もう着きますよ!」
美智子「まあ! おばあちゃん! どうしたの?」