連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第43話「父の上京」

布美枝「あら?」

茂「それだけ 『鬼太郎』に 期待しとる訳だ。」

布美枝「3万円 ですか?」

茂「ん? ああ そげだ。 え~ コーヒー豆に チョコレート。 それから チキンカレーの缶詰。 これは うまいぞ! こっちの キャンデーとキャラメルは 明日にでも 境港に送ってやってくれ。 イトツの大好物だけん。」

布美枝「…。」

茂「何だ? どげした?」

布美枝「高いものばっかし…。」

茂「ん?」

布美枝「こげな高級品 もったいないです。 お金が入った時ぐらい ちっとは 貯金せんと…。」

茂「だら言うな。 金の入った時ぐらいは ぜいたくせんと いけんのだ。」

布美枝「けど…。」

茂「たまには 気分を豊かにせんと 人間が貧しくなる。 生活が貧乏なのは しかたないが 人間まで 貧乏くさくなっては いけん。 飯まで 仕事するかなあ…。 よいしょ!」

布美枝「(ため息) この1缶で 春雨と もやしが どれだけ買えると 思うとるんだろうか。 まだまだ家計は赤字なのに…。 無駄遣いせんでほしいわ。 な?」

<さて その頃 布美枝の実家 飯田家では…>

飯田家

居間

ミヤコ「まあ 東京 行くんですか?」

源兵衛「ああ。 酒屋組合の視察旅行だ。 今年は 東京の蔵元を 回る事になった。 向こうで3泊するけん。 支度 頼むぞ。」

ミヤコ「3泊…。 そげなら 時間 取れますよねえ。」

源兵衛「ん?」

いずみ「フミ姉ちゃんのとこ 行ったら ええのよ。」

邦子「どげしとられるか 気になりますもんねえ。」

源兵衛「物見遊山では な~ぞ。 組合のお歴々も おられるのに 嫁にやった娘のとこに ノコノコ行けるか。」

邦子「すんません。」

哲也「けど 自由時間が あ~だろ。」

貴司「せっかくの機会だけん 家の様子だけでも 見てきたらええよ。」

源兵衛「しょっちゅう手紙が来とるんだ わざわざ行かんでも 大体の様子は 分かっちょ~わ。」

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