連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第44話「父の上京」

すずらん商店街

チヨ子「お金 使わせて悪かったね。 コーヒーおごってもらって お土産まで頂いて。」

布美枝「いえ いえ ほんの気持ちばかりで。」

チヨ子「こら 新米! 無駄遣いせんと しっかりやりくりせな いけんよ。 私ら 主婦なんだけん。」

布美枝「先輩風 吹かせちょ~!」

チヨ子「次は 旦那様が暇な時に 寄せてもらうわ。 暇じゃ困るか? どんどん 描いて 稼いでもらわんとな。」

布美枝「うん そげだわ。 そのケーキ すっごく おいしいから 早めに食べて。」

チヨ子「うん。 久しぶりで うれしいわ。」

布美枝「はあ~ 見え張ってしまった。」

こみち書房

キヨ「あら! やけに おめかしして どうしたのさ?」

布美枝「おばあちゃん…。」

田中家

キヨ「はい どうぞ!」

布美枝「はあ。 久しぶりに会った友達に つまらん 見え張ってしまったんです。 みんな順調で 幸せそうにやっとるの聞いたら 自分だけが 貧乏しとるいうのが 惨めな気がして…。」

キヨ「なんだい それっくらい! 女ってのはね 昔の友達に会ったら 誰だって ちょっとは 見え張るもんだよ。」

布美枝「けど 私 うちの人が 一生懸命 仕事しとるとこ いつも 近くで見てて 立派だなって 思っとるんですよ。」

キヨ「うん。」

布美枝「なのに チヨちゃんに 家も見せられんなんて。 私 外れくじ引いたと 思っとるんだろうか。」

キヨ「え? くじって?」

布美枝「いえ。 そげなつもり ないんだけどなあ。」

キヨ「あのね あんたの旦那さん もうけを飲んじまうとか ばくちで使っちまうとか?」

布美枝「とんでもない! 毎日 仕事ばっかり。」

キヨ「それでも もうからないのかい?」

布美枝「はい。 不思議なくらい お金にならないんです。」

キヨ「は~ う~ん! だったらね 貧乏なのは あんたらのせいじゃない。 社会が悪いんだ。」

布美枝「え?」

キヨ「世の中が悪いんだよ。 まったく 政治家ってのは 何やってんだろうねえ。」

布美枝「はあ。」

美智子「ただいま~!」

キヨ「お帰り ご苦労さん。」

布美枝「お邪魔してます。」

美智子「あら どうしたの? おめかしして。」

布美枝「はあ。」

美智子「あ そうそう これ! 出てたわよ これ。」

布美枝「新しい『鬼太郎』?!」

美智子「はい。」

布美枝「うわ! まるまる1冊 『鬼太郎』か。 すごいなあ。」

キヨ「これが大当たりしたら 見え張った分 差し引いても お釣りがくるくらい もうかるかもしれないよ。」

布美枝「そげですね。」

美智子「何の話? 借りに来てくれると いいけどなあ。」

布美枝「え?」

キヨ「太一君ね あれから まだ一度も来てないんだよ。」

回想

太一「いい事なんか いつ あるんだよ。」

美智子「太一君。」

太一「簡単に言わないでくれよ!」

回想終了

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