連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第45話「父の上京」

美智子「ごめんなさい。 勝手な事 言って。 あの… 『水木先生に会えたら』って 話してたのが 頭に残ってて つい…。」

布美枝「太一君 何か言ってました?」

美智子「ううん 何にも。 会いたいに決まってるのよ。 それなのに もう すっかり かたくなになってしまって…。」

戌井「そこで 僕からの提案なんですが… 水木さん こみち書房で『漫画家と 読者の集い』を やりませんか?」

茂「え?!」

戌井「出版社の主催で 漫画家と読者の交流会を 開く事があるでしょう。 あれを やるんです!」

茂「何を言っとるんですか。 ああいう催しは 売れっ子漫画家でなけりゃ やれんですよ。」

戌井「ですから 『地元の漫画家を 応援する会』という形なら いけるんじゃないですかね。 町内会の催しのような感じで…。」

茂「町内会?」

戌井「はい。 『鬼太郎夜話』の宣伝にもなります。」

茂「宣伝ねえ…。」

美智子「お願いできませんか? そういう会なら 太一君も 顔 出しやすいと 思うんです。」

戌井「どうです? 一石二鳥だと思いますよ。」

茂「う~ん…。」

美智子「土曜日の午後は どうでしょうか?」

戌井「出版直後で 宣伝のタイミングとしては 最高なんですけどね~。」

布美枝「あっ! あさっては ダメです! 父が来る日です。 うちに おってもらわんと 困りますけん。」

茂「そげだな。 おやじさんの襲来に 備える日だ!」

戌井「おやじさんの襲来…?」

美智子「あ~ そう… それじゃあ 土曜日は 無理ね。」

戌井「いや。 ちょっと待って下さいよ。 あえて その日に ぶつけてくる という手もあるんじゃないですか。」

茂「あえてとは 何ですか?」

戌井「いや… お父さんに 水木さんの活躍ぶりを アピールする いい機会だと思うんですよ。 漫画のよしあしは 素人目には よく分からないでしょう。」

布美枝「ええ。」

戌井「しかし 水木さんが 読者に囲まれてる姿を見れば お父さんにも 水木さんの仕事の 好調ぶりが 伝わるはずです。」

布美枝 茂「なるほど!」

戌井「太一君も 無理なく来られて 新刊の宣伝にもなって しかも お父さんの心証が よくなる。 どうです? こりゃもう 一石二鳥どころか 一石三鳥ですよ!」

茂「う~ん。」

布美枝「父も 喜ぶかもしれませんね。」

茂「うん…。 しかし ちっと待て… 人が集まれば ええが 閑古鳥が鳴いとったら どげなる?」

布美枝「逆効果ですねえ。」

茂「可能性は 大いにある。」

美智子「人は… 必ず集めます!」

<一石三鳥をねらう この計画 果たして うまくいくのでしょうか>

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク