こみち書房
<『鬼太郎夜話』のシリーズは 順調に4冊が出版され 村井家の家系も やっと 少し持ち直しました>
水木家
居間
茂「原稿 届けてくる。」
布美枝「お疲れさまです。」
茂「『鬼太郎』は これで ひとまず完結だ。」
布美枝「長い事 続けられて よかったですね。」
茂「うん。 あんまり もうかりもせん本を よう 続けさせてくれたもんだ。 『ええもんを出しておれば 評価は 後から付いてくる』。 深沢さんは そげ言っとったわ。 あの人は 漫画の事を よう分かっちょ~な。」
布美枝「一度 うちに来て頂いたら どうでしょう? 田舎料理ですけど 一生懸命 作ります。」
茂「うん 伝えとくわ。」
玄関
茂「あ 今夜は遅くなるかもしれん。」
布美枝「あら そげですか…。」
茂「次に描く漫画のな 相談をしてくるけん。 ここに もう プランが出来とるんだ。」
布美枝「なるべく 早く戻って下さいね。」
茂「おう。 冷えとるけん 遅くなると 雪になるかもしれんな。」
布美枝「それも そうですけど…。 1年になります… 結婚して。」
茂「ああ。」
布美枝「今夜は ちょっこし ごちそうです。」
茂「うん。」
<2人が結婚して 1年が経とうしていました>
玄関前
布美枝「行ってらっしゃい。 早く帰ってきて下さいね。」
<ほんの少し 未来の希望が 見えてきた2人に この後 思いも寄らぬ事件が 降りかかる事になるのです>