連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】58話のネタバレです。
あらすじ
「どうしても金の都合がつかない」と言う富田(うじきつよし)の頼みで、茂(向井理)の原稿料の支払いは先延ばしになってしまう。河合はるこ(南明奈)は茂の才能を尊敬しているが、はるこに気がある浦木(杉浦太陽)はそれが面白くない。茂は家のローンの支払いの代わりに、富田の約束手形を不動産屋に預けていたが、その手形が不渡りをだすことになってしまう。不動産屋は家の立ち退きを茂に要求する。
58話ネタバレ
水木家
居間
<茂の漫画『河童の三平』は 3巻まで刊行されていました。 富田書房から最初に受け取った 1冊分の原稿料の手形が お金に変わり この先も なんとか やっていけるように 思われたのです。 ところが…>
富田書房
富田「すまん。」
茂「手形の 支払いを伸ばしてくれとは どういう事ですか?」
富田「助けると思って 支払い期日 延期させてくれ。 このとおり!」
茂「でも… 本は 順調に 出とるじゃないですか! え!」
富田「いや ちょっと… 水木さん。」
茂「どういう事ですか!」
富田「座って 座って 落ち着いて 座って。 それが どうにも 都合がつかないんだよ。 本は 順調に出とるんだけれども 金が どうも 右から左に こう 流れるばっかりで。 そこんとこ ちょっと察してくれ。」
茂「こっちだって 手形が 金になると思って 家の月賦の払い 待ってもらっとるんですよ!」
富田「だから もう一息 あと一息のところで 軌道に乗るとこなんだよ。 だから まだ… 頼む!」
茂「いや しかし…。」
富田「これで。 残りの分も 合わせて きっちり 全額 秋までには払う。 頼む 秋まで 待ってくれ! 不肖 富田盛夫 このとおり!
茂「はあ…。」
茂「11月まで 金が入らんのか。 どうしたもんかな 家の月賦。 これで なんとか 頼んでみるか。 あっ! どっかで 短編でも描かせてもらわんと 夏の間に 干上がってしまうな。」
<この手形が 更なる貧乏を 招く事になるとは 茂は 思ってもいませんでした>
昭和二十七年十一月
<そして 季節は 夏から秋に変わり 布美枝のお腹の赤ちゃんは 順調に 8か月目を迎えました>
水木家
居間
はるこ「この毛糸 いい色ですね。」
布美枝「元は うちの人の古いセーター。 ほどいて 洗って ついでに どんぐりで染めてみました。」
はるこ「どんぐりですか?」
布美枝「深大寺の裏に いっぱい 落ちとったんですよ。 うちの人と一緒に行って たくさん拾ってきたの。」
はるこ「へえ~ (くしゃみ)」
布美枝「寒いですか? 今日 冷えますもんね。」
はるこ「大丈夫です。」
布美枝「すいません。 ストーブつけるの 12月半ばからって決めとるんです。 赤ちゃん用品も そろえんといけんでしょう。 我が家は ただいま 緊縮財政なんです。」
はるこ「子供を持つって 大変なんですね。」
布美枝「けど 子供のためだと思えば 節約のアイデアも 浮かんできますけんね。」
はるこ「そういうもんですか?」
布美枝「はい。 貧乏は 発明の母です。 あっ 腕 疲れたでしょう。 お茶 入れましょうかね。」
はるこ「うわっ かわいい! ちっちゃいな。 今日 水木先生は?」