居間
布美枝「なんですか? 今日中に すす払いせんと いけんのに…。」
茂「今から 進水式を始めるぞ。」
布美枝「え?」
茂「ほれ。」
布美枝「あ~… 海だ!」
茂「うん。 金剛だ!」
布美枝「うわあ…。」
茂「うん。 なかなか 感じ出とるなあ。」
布美枝「海も戦艦も 本物みたい。」
茂「これで 戦艦も数が増えると もっと見事になるぞ。」
布美枝「次は 何 作りましょう?」
茂「そげだな 空母でも 1隻いくか。 まだまだ 再建までの道は 遠いぞ。」
布美枝「楽しみが いっぱいあって ええですねえ。」
茂「ああ。」
藍子「アッ アッ ア…。」
布美枝「あっ!」
茂「ん?」
布美枝「歩いとる…! お父ちゃん 歩いとる!」
<藍色の海に向かって 藍子が歩きだしていました>
茂「よ~し。 藍子!」
布美枝「よう 歩いたなあ。」
<吹く風は まだ冷たいけれど 茂がいて 藍子がいて 布美枝の気持ちは 温かでした。 布美枝 もう一息 頑張~なさいよ!>