あらすじ
結婚から3年ぶりに、布美枝(松下奈緒)は藍子を連れて、安来の実家に帰ってきた。父・源兵衛(大杉漣)をはじめ、大家族の飯田家は昔と変わらない、にぎやかさだった。弟の貴司(星野源)には、縁談が持ち上がっていた。源兵衛が実家の酒屋のほかに、新しく2軒目の店をだす計画で、それを貴司に継がせるつもりでいることを布美枝は知る。布美枝は、町内の洋食屋で貴司と見知らぬ女性が連れ立って入ってくるのに出くわす。
75話ネタバレ
飯田家
居間
源兵衛「もう着いても ええ頃だが…。」
ミヤコ「あ~ そろそろですねえ。」
源兵衛「汽車 遅れとらんだろうな。」
ミヤコ「貴司が 駅まで 迎えに行っちょ~ますけん 遅れたら 電話してくるでしょう。」
源兵衛「ああ。 おっ!」
ミヤコ「お父さん?」
源兵衛「店に 誰か来たようだ。」
ミヤコ「誰も来ちょ~ませんよ。」
布美枝「ただいま~。」
ミヤコ「あっ。」
源兵衛「あっ!」
貴司「姉ちゃん 着いたぞ。」
ミヤコ「お帰りなさい。」
布美枝「ただいま戻りました。」
ミヤコ「長旅で 疲れただらが? 藍子 よう来たね!」
布美枝「お父さん… ただいま戻りました。」
源兵衛「うむ…。」
布美枝「ほら 藍子 おじいちゃんですよ。」
源兵衛「おお よう来たな。 ほら おじいちゃんのとこへ来い。 ほら 笑(わら) 笑た!」
ミヤコ「よかったですねえ。」
源兵衛「藍子 よう 帰ったのう。 ばあちゃんだぞ。 ミヤコさんだ。 源兵衛さんです。 アハハハ…。」
飯田酒店
克江「フミちゃん 戻ったかね?」
留蔵「子供は どげした?」
貴司「連れてきと~よ。 姉ちゃん!」
布美枝「は~い。 おじさん おばさん。 ごぶさたしてます。」
克江「あら~ まめなかねえ。」
布美枝「おかげさまで。」
留蔵「初めての里帰りだけん こっちの魚 たっぷり 食べてもらおうと思ってね。」
克江「生きのええの 持ってきたけんね。」
布美枝「あ~がとうございます。」
ユキエ「フミちゃん 戻っとる?」
布美枝「ユキ姉ちゃん!」
貴司「大きな荷物しょって どげした?」
ユキエ「フミちゃんに うちの野菜 うんと食べてもらおうと思って。 お帰り!」
布美枝「ただいま!」
(2人の笑い声)
居間
ミヤコ「はい どうぞ。」
源兵衛「おお。」
ミヤコ「いただきます。」
俊文「藍子 これ 食え。」
布美枝「藍子は まだ食べれんわ。」
(一同の笑い声)
一同「アハハハ 笑った 笑った…。」
哲也「村井さんは どげしとる?」
布美枝「うん 忙しくしとるよ。」
哲也「それは 何よりだな」
ユキエ「東京は 楽しい? あちこち 見て回っとるんでしょう? 銀座とか 東京タワーとか。」
布美枝「そげなとこ 全然行っとらんわ。 うちの周りは 畑ばっかりだし 大塚の方が開けとるわ。」
ユキエ「ふ~ん 映画や テレビで見るのとは 違うね。」
哲也「それ いずみにも 言ってやったらええわ。 あいつ 最近 『東京行きたい』って うるさいけん。」
源兵衛「いや まだ 子供だ。 夢みたいな事 言っちょ~わ。」
布美枝「いずみ 遅いね。」
貴司「テニスだか クラブ活動だか 言っとった。 じき 戻ってくるだろう。」