連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第75話「初めての里帰り」

源兵衛「おてんばで どげだいならん。 松江の短大に出したのが 失敗だったかもっしぇんな。」

貴司「おやじ いずみには 甘いけんな。」

源兵衛「そげな事 ないわ!」

哲也「いや~ 甘い甘い。」

ユキエ「私らの頃なんて ちょっこし町に出ただけでも 大騒ぎしとったのに。 なあ フミちゃん?」

布美枝「うん。」

源兵衛「時代が違うわ 時代が! なあ?」

(一同の笑い声)

源兵衛「何だ?」

いずみ「お姉ちゃん 戻っとる? お帰り!」

布美枝「ただいま!」

いずみ「わあ 藍子だ~!」

源兵衛「騒がしいなあ もう…。」

(一同の笑い声)

輝子「布美枝!」

布美枝「叔母ちゃん!」

いずみ「さっき そこで 一緒になったのよ。」

輝子「元気そうだねえ。」

布美枝「うん…。」

輝子「心配しとったんだよ。 『様子見に 東京行こうか』って 姉さんと話しとったんだわ!」

源兵衛「ええっ そげな話は 聞いとらんぞ。」

ミヤコ「はあ…。」

輝子「藍子! 叔母ちゃん お土産 作ってきたよ。 はい! お手玉!」

(一同の歓声)

<久しぶりの実家は 結婚前と 少しも変わらず 賑やかで 温かでした>

飯田酒店

ユキエ「ほんならね。」

布美枝「わざわざ ありがとう。」

ユキエ「ほんとはね みんな 心配しとったんだよ。 あんたが 里帰りもできんほど お金に困っと~だないかって。 けど 顔見て 安心したわ。 フミちゃん ええ顔しとる。」

布美枝「姉ちゃん…。」

ユキエ「大変だろうけど 村井さんと 藍子と 3人で頑張~なさいね。」

布美枝「うん。 だんだん。」

飯田家

居間

輝子「兄さん この間の返事 もう せなならんのですけど…。 あの話 進めても かまわんですか?」

源兵衛「うむ…。」

布美枝「この間の話って?」

邦子「貴司さんの縁談。」

布美枝「縁談?!」

輝子「先方さんは 会ってみたいと 言っとられますよ。 あんた 写真見たでしょう? どげかね?」

貴司「うん…。

輝子「なんだい はっきりせんねえ。 あんたも 30にな~だけん もう 嫁さんもらわんと いけんわ。 なあ 姉さん?」

ミヤコ「そげだねえ。」

輝子「おとなしい 働き者の娘さんらしいよ。 ちょうどええわ。 会うだけでも 会ってみたら?」

貴司「うん…。」

源兵衛「その話 進めてごせ。 先の事 考えたら もう 嫁をもらっておかんと いけんわ。」

輝子「先の事?」

源兵衛「ああ。 …実はな 町の方に もう一軒 酒屋を出す事に決めた。」

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