宮本家
<一方 あの駆け落ち事件から2年半 苦難を乗り越えて 幸せな家庭を築いた蓮子ですが…。>
居間
蓮子「龍一さん お上手。」
龍一「村岡家の人たちに 特訓してもらったからね。」
蓮子「よかったわね。」
浪子「蓮子さん! 蓮子さん!」
蓮子「はい!」
<蓮子にとって 次なる苦難が…。>
浪子の部屋
浪子「全く もう…。 遅い… 遅い… 遅い!」
<この家の実権を握る 姑の浪子です。>
蓮子「お呼びでしょうか。」
浪子「何時間 かかってるの?」
蓮子「申し訳ございません。」
浪子「もっと早く しゃべって!」
蓮子「申し訳ございません。」
浪子「蓮子さん。 あなたねえ 伯爵家から正式に籍を抜かれて もう 華族様じゃないのよ。」
蓮子「ええ。 私 平民になりました。」
浪子「では こちらも 平民として扱います。 蓮子さんに家事一切を譲って 私は 楽隠居させてもらうから。 しっかり おやりなさい。 まずは お掃除から。」
廊下
浪子「あっ な… 何 その絞り方は! もっと ちゃんと絞って!」
蓮子「はい。 お義母様。」
浪子「お… 遅い…。 遅い~… もう イライラするね~…。」
龍一「蓮子は 育ちが違うんだから 急には無理だよ。 家事なんか やった事ないんだし。」
浪子「家事も満足にできないような嫁は 出てってもらうよ!」
蓮子「はい! お義母様!」
浪子「まだ あんなとこだよ。 はっ!」
村岡家
庭
花子「じゃあ 歩。 お昼ごはんにしましょうね。」
歩「は~い。」
かよ「ただいま。」
花子「お帰り。 かよ 今日は 早かったじゃんね。」
かよ「お姉やん。 宇田川先生から手紙が来てただよ。」
花子「てっ…。 こないだ 『働き口 紹介して下さい』って 手紙書いたさ。 こんなに早く返事が来るなんて!」
宇田川『前略 私 昨年9月 すばらしい出会いがあり 結婚致しました』。
花子「てっ!」