連続テレビ小説「花子とアン」第122回「ラジオのおばさん誕生」【第21週】

有馬「漆原部長 断りましょう。 いくら 子ども向けの番組とはいえ 素人のご婦人を起用するなんて 無謀です。」

漆原「そうだな。」

黒沢「しかし もう 局長の承諾も頂きました。」

漆原「何?」

黒沢「村岡先生が翻訳なさった 『王子と乞食』を 局長のお孫さんが 愛読なさってるそうで 是非 出演して頂けと。」

応接室

花子「来てくれなくても よかったのに…。」

英治「ラジオ局って どんな所か 一度 見たかったんだよ。」

花子「そう…。」

(ドアが開く音)

漆原「ようこそ JOAK東京放送局へ。 制作部長の漆原です。」

花子「ごきげんよう。 初めまして。 村岡花子でございます。」

英治「初めまして。 夫の村岡英治です。」

漆原「まあ どうぞ。」

英治「失礼します。」

漆原「番組の内容は 黒沢から説明があったとおりです。 出演して頂けますよね。」

花子「いえ 今日は お断りするために 伺ったんです。」

漆原「どうしてですか?」

花子「ラジオの向こうの大勢の人たちに お話すると考えただけでも 震えて 身がすくんでしまうんです。」

漆原「まあ そう おっしゃらずに。 うちの局長も乗り気ですので 引き受けて下さいよ。 山岡先生。」

黒沢「村岡花子先生です。」

漆原「失礼。 これから放送がありますので 我々は スタジオに行きます。 どうぞ 一緒に 見学にいらして下さい。」

黒沢「さあ スタジオへどうぞ。」

スタジオ

黒沢「さあ どうぞ。 ここが指揮室です。 ここから放送が出ます。 これからテストをして 本番が始まります。」

有馬「あえいうえおあお かけきくけこかこ。」

漆原「うちの看板アナウンサーの有馬次郎です。」

花子「はあ…。」

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