連続テレビ小説「花子とアン」第122回「ラジオのおばさん誕生」【第21週】

有馬「JOAK東京放送局であります。」

回想

歩「あ~ あ~。 あ~ あ~。 JOAK東京放送局であります。 次は 村岡 歩先生のお歌であります。 こっちが ママアのダアリング こっちが パパアのダアリング」

回想終了

「本番5秒前。 4 3 2 1。」

有馬「JOAK東京放送局であります。 東北 北海道地方の 列車時間短縮は かねてから 仙台 札幌 両鉄道局で 計画していました。 現在 走っている 急行列車の速度を…。」

一同「お疲れさまでした。」

漆原「今日も 大変結構でした。」

黒沢「いかがでしたか?」

花子「本番で よく あれだけ落ち着いて いらっしゃれるものですね。 私は ここで聞いているだけで 足が震えました。」

漆原「そうですか。」

花子「でも やってみます。」

漆原「はっ?」

花子「私でよければ やらせて下さい!」

黒沢「では… 引き受けて下さるんですね!? ありがとうございます!」

花子「よろしくお願いします。」

廊下

花子「英治さんの言いたい事は分かるわ。 『断りに来たんだろう。 君は ひどい あがり性なのに 大丈夫なのか』って 言いたいんでしょう。 はあ… 全く そのとおりよね…。」

英治「いや 僕は 君の勇気をたたえるよ。 よく引き受けたね。」

花子「えっ?」

英治「歩も きっと天国で喜んでるよ。 あの子は ラジオが大好きだったからな。」

黒沢「村岡先生。 早速ですが マイクの前で 声を出してみて下さい。 これ 最初の放送で 読んで頂く予定の原稿です。」

花子「はい。」

黒沢「では お願いします。」

英治「へえ…。」

花子「英治さん お仕事でしょう?」

英治「一人で大丈夫?」

花子「ええ。」

英治「じゃあ 頑張って。」

花子「はい。」

スタジオ

花子「た… て… 大切な… て… 帝国議会の… おし… お話…。」

黒沢『村岡先生。 テストですから そこまで硬くならずに。 一度 深呼吸してみましょうか』。

花子「はい。」

(深呼吸)

花子「はい…。」

黒沢『では どうぞ』。

花子「帝国議… 帝国議会とは… 尋常6年の… と… と… 読本… 巻12と… 修身の本には 出ておりますように…。」

有馬「部長。 本気で この人に 番組をやらせるおつもりですか?」

漆原「局長が そう言ってるなら しょうがないだろう…。」

花子「す… すいません。 緊張してしまって…。」

漆原「いいえ なかなか結構でしたよ。 あっ あなたと1週交代で 語りを担当してもらう事になった 有馬次郎アナウンサーです。 あとは 2人に任せるから。」

有馬「そんな… 部長。」

黒沢「村岡先生 今から特訓を受けて頂きます。」

花子「はい。 よろしくお願いします。」

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