連続テレビ小説「花子とアン」第27回「波乱の大文学会」【第5週】

「困るですちゃあ お引き取りになって下さい!」

吉太郎「失礼しやす!」

徳丸「吉太郎! 武! おめえら 何をしに来ただ!」

吉太郎「連隊長様 おらを 軍隊に入れておくんなって!」

徳丸「何を言うとるだ! 武 どういうこんだ!」

武「今日 おやじが連隊長様のために 一席設ける話をしたら こいつが 会わせろっちゅうて聞かんだよ。」

吉太郎「お願えでごいす! おらを 軍隊に入れておくんなって!」

徳丸「こら! 無礼もんめが!」

連隊長「お前は いくつになるのか。」

吉太郎「17でごいす。」

連隊長「家族は?」

吉太郎「両親と祖父 妹が3人おりやす。」

連隊長「ご両親は お前が志願する事に賛成か?」

吉太郎「ほれは…。」

徳丸「連隊長殿 誠に申し訳ございやせん。 この吉太郎は うちの小作の せがれでやして。 後で よく言って聞かせやすんで 今日の失礼は 何とぞ お許し下せえませ!」

連隊長「吉太郎君。 17歳にして お国へ ご奉公を願い出るとは 実に見上げた心掛けである。」

吉太郎「ありがとうごぜえやす!」

連隊長「だが 今は 長男として家を守り ご両親に尽くすのが 第一の務めだろうが。」

吉太郎「ふんでも…。」

連隊長「二十歳の徴兵検査を 待っても 決して遅くはない。 まずは 親孝行に励みなさい。 分かったかな?」

吉太郎「はい…。」

<一方 おとうの吉平は…。>

労民新聞

浅野「それで 各地の農村の 手応えは どうでしたか?」

吉平「社会主義の期待を ひしひしと感じています。 この男は 新潟のまんじゅう売りですが 先生の本を読んで いたく感動し 伝道行商の仲間にしてくれと。」

浅野「そうですか。」

山田「正直 本の中身は 難しくて よく分かんねえけど 吉平さんの後 ついて歩いてます。」

浅野「私たちの闘いは 始まったばかりです。 では 乾杯!」

<正反対の方向に進む父と息子。 親子なのに 皮肉なものですねえ。>

修和女学校

廊下

茂木「富山先生。 蓮子さんは 稽古に現れず はなさんの脚本も まだ完成してません。 このままでは 大文学会の公演も危ぶまれます。 富山先生も 稽古場にいらして 生徒たちを指導して下さい。 お願いします。」

富山「いえ 私は…。」

茂木「あの方の事を まだ 引きづってらっしゃるんですか?」

講堂

醍醐「はなさん。 ちょっと代役を頼んでもいい?」

はな「はい。」

醍醐『おお いとしいジュリエット。  夜が明ける。 私は 身を隠さねばならない。 ジュリエット しばしの別れだ』。

はな『ロミオ様。 どうしたら 私たちは 運命に打ち勝ち 永遠の愛を手にする事が できるのでしょう』。」

醍醐『少し待ってほしい。 まずは 今日の この幸福を 神父に報告するまで』。

<富山先生は 『ロミオとジュリエット』のお芝居に 何か つらい思い出が あるのでしょうか。>

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク